年収3000万稼ぐ人のメンタルヘルス対策【不安への対処方法】

いつもこのブログをお読み頂き、どうもありがとうございます。

今日は「不安に対処する・不安を克服するには?」というお話をしたいと思います。

 産業医の面談に来る方の中で「不安なんです・いろいろな不安があるんです」という相談をよく受けます。そのような時、まずはお話を伺うのですが、わたしがどういう考えを持って接しているのか?というのを、どういったアドバイスをするのか?を交えてお話したいと思います。

 まず皆さんにご理解いただきたいのは「不安」というのは人間ならではの高等で高度な感情だ、ということです。例えばサルやライオンには「不安」という感情は無いと思います。本能はありますが、不安はありません。なぜならば、不安というのは「未来に対する恐怖心」だからです。  例えば、明日ごはんが食べられなくなるのではないか・明日ローンが払えなくなるのではないか。こういった「先のことを考える」ことは、人間特有の考えなのです。サルはバナナを持っているときに「明日はバナナが食べられないかもしれない」とは考えません。ライオンは「明日はうさぎを捕まえられないかもしれない」などとは思いません。食べ物を隠すなど、本能的にそう思っているのではないかという行動をすることはありますが、考えて不安になるということは無いのです。  「不安」というのは、未来に対する恐怖心であり「不安に思っていることは、実際にはまだ起こっていないことである」というのを認識してください。

 では不安があったらどうすればいいのか?  一番のお勧めは一人で抱え込まないで人に話すということです。  人に話すだけで、不安の半分は解決します。なぜかというと、話すという行為の中で不安を外に出しているからです。誰かに話す時はそれなりに整理してみなさんお話しますから、それである程度すっきりして解決できるのです。恐怖というのは私たちの脳の中では、比較的中央の方にある扁桃体という部分で感じていると言われています。いわゆる、は虫類脳、原始的な感覚の脳機能を司る部分です。これにたいして、人間で発達している脳の外側の部分、大脳皮質をたくさん働かせてやれば、原始的な脳の誤った考えを修正できるのです。大脳皮質を働かせるために、「頭を使う」ことが大切です。他人に話すという行動は、話を未意識レベルでも整理しているので、このプロセスをふんでいるのです。  プロの産業医やカウンセラーであれば、話しにくいことであってもしっかりと吐き出せるようにうまく聞き出してくれます。必要な方は話をしに行ったら良いと思います。これで不安の半分は解消できます。  反対に言えば、不安だといっている人の聞く人はアドバイスなどはせずにしっかり聞いてあげればいいということです。相手にしゃべらせればしゃべらせるほど、相手の大脳皮質が、扁桃体に働きかけてくれていますから、治療効果はあるのです。

 残り半分の解消できないことについてはどうすればよいか。  まず、紙に書いてください。話すときと違って綺麗に書く必要はありません。箇条書きでも汚いメモでもなんでも良いです。ノートの左側のページに日付と不安に思った事柄をどんどん書いていき、右側のページはそのままにしておきます。書いたらちょっと眺めてみてください。落ち着いて「不安」の内容を眺めてみると、中には「これをやっておけば良いのでは?」と思う内容があるものです。行動で解決できることは行動するのが一番です。

 また、大きい不安を書いてあっても内容が漠然としている場合、それを漠然としたままにせず細分化・クラックダウンしてみてください。例えば「仕事で期日までにこのプロジェクト終わるかどうか不安」と書いてあるとします。実はそれは部長に怒られるかもしれないから不安、というものであったり、自分の能力が誰々に低く評価されるかもしれないから不安、であったりするのです。もしかすると、プロジェクトがおわらないことがただただ不安だけれども、プロジェクト内容を細分化してみると、9割はおわっているなんてこともあります。  細分化できたら(先回りして)対処できるかもしれません。書くだけで終わらせず、書いたものを見て対処できるものは対処する。細分化できるものは細分化する、そしてまた、対処可能なものは対処するというのが大切です。  不安というのは漠然としているからこそ不安なのです。不安を明確に文章化できれば、残りのうちのさらに半分は解消しますので、是非やってみてください。

 ちなみに「部長に怒られるかどうか」については「胡麻を擂っておく」というのも一つの手ですが、相手の行動や反応は、ある意味自分ではどうしようもないことなので寝て忘れるしかありません。最悪の事態を想定し、それに備えることができれば、全ては想定内になります。

 さて、上記2つで、できることはやった。しかし、それでもどうしようもないことは不安として残ります。これをどうするか?  ひとまず放っておいて寝てください。そして、3週間ぐらい経ったところでもう一度ノートを見直してください。そうすると、あなたが考えていた不安の多くは「実現していない」ということがわかると思います。よく言葉で「不安というのは未来に対する恐怖だから、実際には起こらないから大丈夫」というような人もいます。それは事実なのですが、実際そうではあるのですが、人に言われただけの言葉というのは耳には入っても心までは届かないのです。

 書いてみて、細分化して、できることはやって、できないことだけ放っておいてください。  3週間後に、さて起こったかな?とノートを見てみると「あぁ起こっていないじゃないか」ということが実感できるのです。「起こっていない」と確認できたら、書いた不安をペンでぐしゃぐしゃっと消してしまってください。それを繰り返すことで、不安の多くは実現しないことだから、そんなにおびえたり不安に思ったりすることは無いのだということが腑に落ち、きちんと理解できるようになるのです。

 このワークで不安に対処できるようになった方というのは実際にたくさんいらっしゃいます。もしあなたがいま不安を抱えている、大切な人やご友人・ご家族が不安を持っているようだったら、ちょっとこのワーク、この動画を教えてあげていただけると大変嬉しいなと思います。

 今日は不安に対処する方法についてお話しました。不安というのは未来に対する漠然とした恐怖なので、人に話したり、書いたり、実際にそれが起こらないということを確認することによって、必ず対処できます。

 以上、あなたの心と身体の健康管理にお役立て頂ければ、たいへん嬉しく思います。


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