原子力災害時における心のケア対応の手引き-周辺住民にどう応えるか-

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原子力災害時における心のケア対応の手引き-周辺住民にどう応えるか-
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財団法人原子力安全研究協会が平成20年度にとりまとめたものです。

PDF版が以下のURLから見られます。
www.remnet.jp/lecture/b08_01/index.html

目次は以下の様です。
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はじめに

本書の目的

第1編 避難所、医療機関の役割

A.平常時の体制構築
 《緊急被ばく医療機関等での対応》
  1.マニュアルの作成
  2.関係職員への知識の周知、研修および訓練の実施
  3.住民への情報提供
  4.報道機関との連携

B.事故発生時の対応(事故発生直後~3週間くらいまで)
 《I.避難所等での対応》
  避難所等での対応(フロー図)
  1.住民との会話の際の注意点
  2.汚染検査時の注意点
  3.心理的応急対応

《II.緊急被ばく医療機関等での対応》
  医療機関での対応(フロー図)
  1.不安を持った住民への対応
  2.患者およびその家族等への対応
  3.職員への対応(搬送関係者等の防災業務関係者も同様に対応)

第2編 地方公共団体の役割

A.平常時の体制構築
  1.マニュアル等の作成
  2.関係職員への知識の周知、研修および訓練の実施
  3.住民への情報提供
  4.報道機関との連携

B.事故発生時の対応
 《I.事故直後~3週間くらいまで》
  1.オフサイトセンター等との連携
  2.救護所の設置、相談窓口の開設等
  3.健康影響調査のための検討会等の設置
  4.心のケア対策チームの設置
  5.アウトリーチ活動の支援

《II.事故後3週間以降》
  スクリーニングのための問診票利用の場合(フロー図)
  問診票利用の際の注意点

〈参考〉付録 一次問診票

〈参考〉付録 二次問診票

〈参考〉付録 職員(援助者)にみられやすい症状

【参考・引用文献】
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大規模災害等発生後のPTSDの予防と対策

《大規模災害等発生後のPTSDの予防と対策》 
www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/005.htm

【目的】

社内での大規模な事故や地震等の災害あるいは自殺者(以下、大規模災害等とい
う)発生時には、
被災したものや自殺したもの(以下、被災者という)だけでなく、同僚や救出に
あたったもの及び関係
者へ精神的な影響を与えることが少なくない。本ガイドラインは、それらの者へ
の精神面への影響を
考慮した対応を行なうことを目的とする。

【適応範囲】

大規模災害等が発生し、被災者が重篤な身体症状または死亡に至った場合で、下
記対象者に精神
的な影響が認められるあるいは今後予想される場合とする。

・大規模災害等の被災者
・被災者の救出にあたったもの
・被災者の同僚・及び上司
・その他、被災者と関係のあったもの

【手順】

1.対応の時期

第一段階:大規模災害等が発生した場合、直後には、急性ストレス障害を起こす
ことがある為、
被災後5日以内に対応することが必要である。但し、被災後3日~7
日以内は高揚期
で心理的問題が見えにくいこともある為、7日~14日の間に再度
被災者の状態の確認を
行なう。

第二段階:被災後1~3ヶ月の亜急性期は、混乱が収束に向かう時期であるが、精
神保健上の問
題が顕著化してくる時期であり、対応が必要となる。

第三段階:被災後3ヶ月以降の慢性期は、被災者の身体的回復に伴う精神保健上の
問題点や
PTSD等精神面での回復のずれによる問題点が出現する時期であ
る。また、死亡事故
では、記念日反応を起こすことにも留意する。


IES-R(改訂 出来事インパクト尺度)
www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/005.htm
“大規模災害等発生後のPTSDの予防と対策” の続きを読む

ヨウ素予防内服に関する情報

福島原発の話題が出ていますがヨウ素予防内服に関する情報をお送りいたします。

自由に転送して結構です。

独立行政法人 放射線医学総合研究所の体内被曝時のヨウ素の摂取について発表。
一般向けに 「イソジン飲むな」、「昆布意味ない」を注意喚起しています
www.nirs.go.jp/data/youso-1.pdf
www.nirs.go.jp/index.shtml

安定ヨウ素剤の内服について参考になる情報です
Ⅰ. 「原子力災害時の放射線防護策としてのヨウ素剤予防服用の実際」
www.remnet.jp/kakudai/06/keylec.html)、
Ⅱ. 原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について
(平成14年4月 原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会)
kokai-gen.org/information/6_027-1-3.html
第5-6の項に“ヨウ素含有食品の効果について”やや詳しく説明があります
「昆布意味ない」も少し詳しく説明
Ⅲ.安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル
www.remnet.jp/lecture/b03_03/index.html
はヨウ素剤服用について詳細の記載があります

・ヨウ素剤の予防内服の効果はヨウ素131などの放射性ヨウ素の甲状腺集積による
内部被ばくの低減に有効である
・服薬の指示は「災害対策本部の指示」による(ヨウ素剤は防災資機材として扱われ、
必要時薬剤も提供される):防護対策の指標として小児甲状腺等価線量の予測線量「100mSV」が提案、ただし予測線量の値だけでなく現場の状況や、
他にとりうる防護策、
気象条件を考慮して安全サイドで判断される(上記Ⅱ、第5-2)
服薬対象は「40歳未満」(上記Ⅱ、第5-5)
・ヨウ素剤の服用回数については、原則1回で、2回め以降の服薬を考慮する場合には「避難を優先」して考える(連用する薬でないこと

ヨウ素含有食品等による効果について

原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用考え方について

平成14年4月

原子力安全委員会 

原子力施設等防災専門部会

 

 ヨウ素は種々の食品に微量ではあるが含まれており、特に海産物に多く含ま れている。この中でコンブは特異的に多く(43、44〕、コンブ乾燥重量100g当 たり、100~300mgのヨウ素を含んでいる。その他、ワカメ7~24mg /100g乾燥重量、ヒジキ20~60mg/100g乾燥重量、海産魚類0. 1~0.3mg/100g生重量である。

 日本人が通常の食生活で摂取するヨウ素量は、海産物の有無やその過少で大 きく変動するが(22)、海産物の摂取による日本人の1目ヨウ素摂取量の平均は、 1~2㎎とされている㈲。コンブはそのまま食する以外に、だしコンブとし て使われることが多く、15分間の煮沸により出汁中には、コンブに含有され るヨウ素の99%以上が溶出される。一杯の吸物に普通加えるだしコンブを2 gとしても、5mg程度のヨウ素摂取となる(45)。このようなヨウ素摂取量でも、 日本人の甲状腺のホルモン分泌機能は正常である(22)。また、コンブ等を摂取し ない場合、一日当たりヨウ素摂取量は、0.lmg程度となる(22)

 コンブにより10~30mgのヨウ素を一度に摂取することは可能ではある が、ヨウ素含有量が多いコンブ等の食品を摂取することにより、放射性ヨウ素 の甲状腺への集積を抑えることについては、

・コンブでは、大量に経口摂取した上で、咀噛・消化過程が必要でヨウ素の吸 収までに時間がかかり、かつ、その吸収も不均一である

・コンブの種類、産地など、それぞれのコンブに含まれるヨウ素量は一定では なく、その必要量を推測することは極めて困難である

・対象者が、集団的に、迅速にコンブからヨウ素を摂取することは現実的に困 難である

 等の理由により、原子力災害時における放射性ヨウ素の甲状腺への集積を抑制 する措置として講じることは適切ではないと考えられる。
 なお、各家庭にあるヨウ素を含むうがい薬や外用薬は、経口服用目的には安 全性が確認されておらず、また、ヨウ素含有量が少なく、原子力災害時におけ る放射性ヨウ素の甲状腺への集積を速やかに抑制する効果は乏しいため、これ らのうがい薬や外用薬を、安定ヨウ素剤として、使用してはならない。

サイエンス・メディア・センター・ジャパン(SMCJ)による原発に関するQ&Aまとめ


随時更新しています

English site is also available.
【CONTENTS】
1. Radiation Exposure
2. Cooling with Fresh water and Seawater
3. Why use Boric Acid?
4. Regarding the Explosion
5. The Operational Status of the Nuclear Power Stations

大震災のこころのケアを行うために必要な情報を集めたサイトの紹介です

心理的支援(こころのケア)を行うために必要な情報を集めたサイトです。こころのケア活動は、被災地域のニーズに応じた持続可能なものであることが重要で、十分なアセスメントと準備が必要になります。

放射線に被爆したら?一般的な除染の方法

一般的に100-500mSv未満の放射線被爆であれば、すぐに人体に悪影響が出る可能性は低いと考えられています。

福島第一原子力発電所事故に関し、都内は現在心配はいりません。それでも心配な方は、以下をお読みください。

放射線に被ばくすると健康に影響を及ぼすことがありますが、その影響の有無と種類は被ばくした量で違います。被ばくした放射線量が、例えば100mSv(ミリシーベルト)以下では、ただちに健康に影響を及ぼすことはありません。また、被ばくした放射線量が高いほど数年後から数十年後にがんになる危険性が高まると考えられますが、その危険性は、例えば100mSv(ミリシーベルト)の放射線量で0.5%程度です。これは喫煙や食事などの生活習慣を原因とするがんの危険性よりも数十分の一程度低い値で、過度に心配する必要はありません。


放射線医学総合研究所のHPによると


 東京電力(株)、被ばく等の可能性をご心配になられている方は、先ず、 以下のことを行っていただきます様お願い致します。

汚染があったとしても、以下の処置でかなりの程度放射性物質を洗い落とすことが出来るはずです。
 
  • 洋服、靴をぬいでビニール袋に入れる。
  • 布やウェットティッシュなどで拭いとる(ふきとった布などはビニール袋に入れて捨てる)。

シャワーが利用できる方はさらに、以下のことを行ってください。
  • 髪をシャンプーする。
  • 顔を洗う。(石鹸、ボディソープ)
  • 体を洗う。耳の中、爪の間も洗う(石鹸、ボディソープ)。
  • 洋服は洗濯するか、気になるようでしたら捨てるのがよいでしょう。

放射線100mSv(ミリシーベルト)未満は人体に被害はでません。

産業医からのupdateです。

Here is an update about nuclear radiation exposure.
The MIT Department of Nuclear Science and Engineering
Dr. Josef Oehmen

Japanese version is here.

In here, it says;
Some radiation was released when the pressure vessel was vented. All radioactive isotopes from the activated steam have gone (decayed). A very small amount of Cesium was released, as well as Iodine. If you were sitting on top of the plants’ chimney when they were venting, you should probably give up smoking to return to your former life expectancy. The Cesium and Iodine isotopes were carried out to the sea and will never be seen again.
圧力弁が解放されたときにいくらかの放射線物質が放出された。放射化した蒸気による全ての放射性同位体は無くなった(崩壊した)。ごく少量のセシウムとヨウ素が漏出した。もし蒸気放出時にあなたがプラントの煙突のてっぺんに座っていたのなら、あなたは、元の寿命を回復するために禁煙しないといけないかもしれない。セシウムとヨウ素同位体は海に運びだされ、二度と出会うことはないだろう。

Below 100 to 500 mSv is thought to be safe according to the  National Institute of Radiological Sciences (放射線医学総合研究所)
放射線の量

放射線被爆について About Radiation Exposure

いくつかのクライエント様より放射線被爆の不安の声が届いております。
以下、独立行政法人 放射線医学総合研究所のHPをご参照ください。www.nirs.go.jp/index.shtml
発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識などがあります。

Here is an information about radiation exposure from National Institute of Radiological Sciences. www.nirs.go.jp/index.shtml


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1.原子力発電所の事故により、周辺地域の住民が気をつけることは何ですか。
2.住居から避難するときには、何に気を付けたらよいですか。
3.大気中の放射性物質は、人にどのような影響がありますか。
4.安定ヨウ素剤の服用について
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インターネット等に流れている根拠のない情報に注意して下さい。
ヨウ素を含む消毒剤(ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などで)などを飲んではいけません。
海藻等を食べても十分な効果はありません。
『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。
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Important Notes by Takegami
  • Potassium Iodine (KI)(ヨウ素剤)  is an over the counter drug in USA and some other countries, but this is a prescribed medicine in Japan. 
  • Only the people who has taken in the Iodine by Iodine radiation exposure (放射性ヨウ素への被爆で放射性ヨウ素が体内に入ってしまった人のみ) will benefit from this medicine. This will not work for external exposure (外部被爆) and radionuclide(放射性核種).
  • This medicine has some side effects, such as allergy, thyroid function disorders, and  renal function disorders.
  • Radiation-medical professionals will make decisions about the needs to take this medicine.
  •  
  • Please do not drink or take  disinfectant solution/spray containing Iodine.
  • They are not for drinking and may contaion some harmful chemical materials.
  • And, the amount of Iodine in these disinfectant solution/spray are too small to have any preventitive effect.
  • Seaweed contains Iodine, but the amount of Iodine in the seaweed is not constant and you cannot expect to get a benefit from it. Also, seaweeds takes long time to digest and absorb. 
  •  Potassium Iodine (KI)(ヨウ素剤) is a prescribed medicine and only physicians (doctors) can prescribe this medicine in Japan. This medicine should be only taken under the right instruction after the radiation exposure at the refuge.
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放射性ヨウ素を体の中に取り込んでしまった場合(内部被ばく)には、避難所等で配布される安定ヨウ素剤を指示通りに服用することが重要です。
これは体の中にはいると甲状腺に集積するので放射性ヨウ素が入る前や直後に安定ヨウ素剤を服用し、放射性ヨウ素の取り込みを阻害したり、希釈して甲状腺への影響を低減させようとするものです。
しかし、ヨウ素剤の服用によってはアレルギーなどの副作用をおこす場合もあります。また、安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が体の中に入った場合のみに有効で、外部被ばくや他の放射性核種には効果がありません。
従って、服用の必要があるかないかは、環境中への放射性ヨウ素の放出量から受ける被ばく量を推定し、医学的観点から決定すべきものです。

以上、御社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。

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