産業医からみたがん検診・人間ドックについて

過去1年間にがん検診又は人間ドックを実施した事業所の割合(実施率)は41.1%[前回41.0%]で、

 

がん検診を実施した事業所の割合は29.3%、

人間ドックを実施した事業所の割合は27.7%、

がん検診と人間ドックの両方を実施した事業所の割合は15.9% でした。

 

事業所規模別にみると、上記のいずれについても、規模が大きくなるほど、実施した事業所の割合が高くなっています。

 

実際のがん検診の種類(複数回答)をみると、

「大腸がん検診」(61.7%)が高く、

「胃がん検診」(60.1%)、

「子宮がん検診」(57.4%)、

「乳がん検診」(55.3%)の順でした。

 

 

がん検診・人間ドック実施の有無別事業所割合

がん検診実施の有無及び種類別事業所割合 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医のコメント パートタイム労働者に対する定期健康診断の実施状況

過去1年間に定期健康診断を実施した事業所で、パートタイム労働者に対して定期健康診断を実施している事業所の割合は、

  • 一般社員の週所定労働時間の4分の3以上働くパートタイム労働者に対して定期健康診断を実施している事業所の割合は、85.2%
  •  
  • 一般社員の週所定労働時間の2分の1以上4分の3未満働くパートタイム労働者のいる事業所のうち、これらのパートタイム労働者に対して定期健康診断を実施している事業所の割合は、62.5%
  •  
  • 一般社員の週所定労働時間の2分の1未満働くパートタイム労働者のいる事業所のうち、これらのパートタイム労働者に対して定期健康診断を実施している事業所の割合は、40.6%

 図1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年、日本の職場環境は激変しています。

職場のモザイク化です。

パートや派遣、契約社員は、従業員の1/3。

外国人労働者は75万人と、過去10年で倍増しています。

 

そのような中、パートや派遣、契約社員の健康管理について、企業がどこまでやるか、企業にどこまで求められるようになるのか、企業はしっかり把握する必要があると思います。

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医からのコメント 定期健康診断の実施率、受診率、有所見率について

過去1年間に定期健康診断を実施した事業所の割合(実施率)は86.2%[前回平成14年調査は87.1%]でした。

 

事業所の規模別にみると、300人以上のすべての規模で100%実施されていました。

 

実際に定期健康診断を受診した労働者の割合(=受診率=過去1年間に定期健康診断を実施した事業所における常用労働者のうち定期健康診断を受診した労働者の割合)は、81.2%でした。

そして、そのうち、所見のあった労働者の割合(有所見率)は、39.6%でした。

 

つまり、働く人の32.2%に、何らかの所見がある=健康を害している可能性がある、ということになります。

 

 

受診率について、事業所規模別にみると、50人以上のすべての規模で8割を超えていました。やはり、8割以上の受診率は最低限必要ということでしょう。

 

 

定期健康診断の実施率、常用労働者の受診率及び有所見率

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医の求める就業規則① 復職と休職に関する就業規則をつくりましょう!

 

従業員の心と体の健康管理に関して、

 

最近、企業には、より多くのことが求められてきています。

 

 

心の健康に関しては、

 

従来は、

 

「メンタルヘルスをケアしましょう、予防しましょう

 

というスタンスが、企業に求められておりました。

 

 

2004年に、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きについて.が厚生省より出されました。

 

 

そして、現在は、

 

「メンタルヘルス問題(ようするにうつや不安神経症、パニック障害等)で休職してしまった従業員も、ちゃんと復職させましょう

 

というスタンスが、求められています。

 

 

ところが、

 

実際に企業に休職者がでてしまってから、産業医探しをはじめる企業も少なくありません。

 

 

しかしこれは、産業医がいれば問題が解決する、わけではありません。

 

もちろん、質の高い産業医の存在により、問題解決がラクになる、解決への近道がみつかる、などはあります。(そうなれば、産業医としてはうれしい限りです。)

 

 

どのようなケースでも、それぞれの会社のスタンス、方針がはっきりしていないと、産業医としても、対応が難しくなってしまいます

 

 

もちろん、会社のスタンス・方針とは、

 

会社のルールに裏付けられたものでなければなりません。

 

 

そして、そのルールは、法的な根拠があり、法的にも納得のいくものでなければなりません。

 

このルールこそが、「就業規則」です。

 

 

就業規則に、休職・復職に関する充分な規定がないのに、従業員の休職・復職に対応することは、

 

会社の担当者にも産業医にも、複雑、煩雑、じれったい作業です。

 

 

例えていうならば、

 

暗黙の了解ルールのみでのトランプの大富豪をやっていて、何か問題が生じたけれど、さまざまな(ローカル)ルールがあり、解決がまとまらない、状態です。

 

 

会社内健康保健サービス(産業医システム)の改善を期に、

 

復職と休職に関する就業規則について、考えてみませんか?

 

産業医の求める就業規則② 「休職の定義」と「休職期間」について

 

就業規則では、

 

休職の定義」と「休職期間

 

を、決めることが出来ます。

 

 

つまり、「何をもって休職とするか」、「どれくらいまでを休職とするか」ということです。

 

ちなみに、これに関しては、労働基準法に決まりはありません。

詳しいことについては、専門家にご相談下さい

 

 

 

ここでは、産業医の立場からの見解を述べさせて頂きます。

 

 

「休職の定義」≒「何をもって休職とするか」

 

たいていは以下が該当します。

 

     疾病による欠勤が○か月を超え、療養を継続する必要があるため、 勤務できない場合

     特別の事情がある場合

 

 

就業規則にこのような文章がのっている企業はそれなりにあります。

 

市販の就業規則ひな形でも、載っているものはあります。

 

くどいようですが、これに関しては、労働基準法に決まりはありません。

 

あくまで、就業規則です。

 

 

就業規則では、会社独自で様々なルールを決めることができますが、これだけでは不十分です。

 

休職の期間についての記載が足りません。

 

 

「休職期間」≒「どれくらいまでを休職とするか」

 

社員が病気で長期間休むことになりました。さて、いつもで休みを認めますか

 

 

「治る」まで?

 

 →「治る」の定義は何ですか?

 

     病気が完治したことの証明方法も考えましょう。

 

    

→「治る」まで数年かかってもいいのですか?

 

 その間、社員の身分を維持することは、社会保険料が発生し続けます・・・

 

 休職社員の部署に人員補充をする必要があるかもしれません。そのコストもかかります。

 

さもなければ、働いている他の社員の負担がふえるばかりです。

 

 あなたの会社に、それに耐える体力はありますか?

 

どこかのタイミングで、ケリをつけることが必要と思います。

 

 

一般的に、休業期間を経過すると、退職になります。

 

逆に言えば、

 

休職期間を決めていないと、退職を決めることもできない状態が続きます

 

 

そこで、

 

 →「期間」はいつまでとしますか?

 

     例えば、休職期間については、

 

Ø         勤続1年以上3年未満の者・・・○ヶ月

Ø         勤続3年以上の者・・・○ヶ月

 

という形で就業規則に載せることは可能です。

 

これは、勤続年数で差をつけているので、長く働いてくれた社員をより大切にするという意味もあります。

 

いかがでしょうか?

 

産業医の求める就業規則③ メンタルヘルス社員の復職と再発について

 

2004年に、心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き について.が厚生省より出されました。

 

 

そして、現在は、

 

「メンタルヘルス問題(ようするにうつや不安神経症、パニック障害等)で休職してしまった従業員も、ちゃんと復職させましょう

 

というスタンスが、企業には求められています。

 

 

そこで、産業医的には復職の方法についても記載が必要かと思われます。

 

 

社員の復職に携わっている産業医としては、さらに、

 

再発の対処法

 

と、

 

再発の定義

 

についても記載して欲しいと思います。

 

 

このような就業規則は、決して会社のリスクを減らすだけのものではありません。

 

社員の働く環境を守るためのもの、としての導入という認識が必要です。

 

そのほうが、社員に受け入れられやすいのではないでしょうか。

産業医.com版 安全衛生委員会の作り方

 

 産業医は決めました。

 

 では、どうやって、企業内の産業保健サービス(産業医システム)をやっていくのでしょう?

 

 その中心になるのが、安全/衛生委員会です。

 

 委員会を構成するメンバーの役割と選任方法について、ややこしいことは抜きにして、産業医.comバージョンとして簡単に説明します。

 

 詳しいことを知りたい人は、「安全衛生規則施行令9条」で以下内容を定めていますので、そちらをお調べ下さい。

 

 

安全/衛生委員会とは?

 

・労働者50人以上の事業場では衛生委員会を設置し、毎月1回以上、衛生に関する事項の調査審議等を行わなければならない、となっています。

 

 そして、議事事項で重要な物については記録(議事録)を作成し、3年間保存することになっています。

 

ちなみに、委員会の開催時間は労働時間ですので、衛生委員会が勤務時間外に行われたときは、メンバーの方はきちんと割り増し賃金を請求しましょう。

 

安全衛生委員会の作り方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衛生委員会のメンバー選びのポイントに続きます。

産業医.com版 安全衛生委員会の作り方 安全/衛生委員会のメンバーとは?

 

以下を参考に、いいメンバーを選任して下さい。

 

 

総括安全衛生管理者

 

         資格は必要ありませんが、実際的な責任者である労務・総務・人事部長、工場長や作業所長などが一般的です。

 

         統括安全衛生管理者は、委員会の決定事項等を会社の検討事項として、事業主に提言する役割を担います。

 

         以下人数の事業所・業種で選任が必要です。

          1.屋外産業的業種  :  常時100人以上

  2.屋内工業的業種  :  常時300人以上

  3.屋内非工業的業種 :  常時1000人以上

 

 

衛生管理者

 

         業種に関係無く、50人以上の労働者をしている事業場にて選任する必要があります。

 

         衛生管理者免許所持者等の有資格者である事が必要です。

 

         原則、専属ですが、2人以上の選任の場合には1人は衛生コンサルタントでもOKです。

 

         職務内容は、毎週1回以上の巡視と衛生、健康に係る異常を発見した場合に必要な措置を採る事などです。また、産業医との連絡役などを担うことも多く、実際の行動部隊隊長も衛生管理者であることが多いという印象です。

 

 

安全管理者

 

         総括安全衛生管理者の下、実際的な安全管理を行う有資格者です。

 

         作業場の巡視とそれに伴う具体的な措置などを行います。

 

         原則、事業場に専属の者ですが、複数の場合には1人のみは外部の労働安全コンサルタントでもOKです。

 

         危険物取り扱いなどなければ、安全管理者は不要です。

 

         以下人数の事業所・業種で選任が必要です。

   1.常時 300人以上 : 建設業、化学製造業

   2.常時 500人以上 : 無機化学、化学肥料、貨物運送、港湾運送業

   3.常時1000人以上 : 紙、パルプ、鉄鋼、造船業

   4.常時2000人以上 : その他屋外、又は屋内工業的業種などで労災休業101人以上/3年間の事業場

 

 

衛生委員

 

         事業者が指名しますが、その半分は労働者の代表から推薦された者から選ばなければならないとなっています。つまり、衛生委員は、労使半々の人数設定が必要です。

 

         委員メンバーは社員の代表として周囲の声を収集する役割が期待されています。人選にあたっては、社内の部署を偏らないように選ぶことが大切だと思います。人事・総務・法務・広報部などより選任されることが多いですが、議事録を作成する者が多くの場合ここに含まれている印象です。

 

         月に1回産業医を顔を会わすわけですから、社内の一番ストレスの多い部署の(上の)者を選任するのも有効です。

 

注意!

事業者 全てのメンバーを選任しますが、自らはメンバーになれません。

 

産業医も気になるニュース HIV感染者1万人突破 7~9月は過去最多

 
産業医の気になるニュースです。

2008.11.19.毎日新聞によると、 

 厚生労働省のエイズ動向委員会は19日、国内のHIV(エイズウイルス)感染者が累計で1万人を超えたと発表した。

 新規感染のペースは右肩上がりに増えており、厚労省は「先進諸国が横ばいの中で日本の感染率上昇は目立っており、啓発が遅れている」と警戒を強めている。

 厚労省によると、7~9月に報告があった新規感染者は294人で、四半期ベースでは過去最多。血液製剤で感染した薬害被害者を除く感染者は累計で1万247人(男性8305人、女性1942人)に達した。

 85年の最初の感染報告から5000人突破までは17年かかったが、ここ数年でペースが急激に上がり、03年1月以降の5年9カ月で5107人の感染者が見つかった。

 感染ルートの大半は性的接触で、特に若年男性の同性間の性的接触による感染が増えている。感染者の居住地は東京が約3分の1で突出している。

 エイズを発症した患者の累計は4790人、薬害以外の死亡者累計は864人。

いい産業医の報酬について

いい産業医をお探しの企業の担当者は、管理人へご連絡下さい。

 

産業医の報酬の相場はもっと安いのでないか?

 

 確かに、低価格で引き受けてくれる産業医は、あります。

 

 探せばたくさん見つかるでしょう。

 

 

しかし、「産業医」の本質をもう一度よく考えてみてください。

 

 安上がりに簡単に見つかればそれでいい、というものではありません。

 

 安ければ安い方がいい、その気持ちはわからないわけではありません。

 

 しかし、安っぽい産業医を選んでしまったばかりに、「安物買いの銭失い」になってしまえば、何の意味もないのです。

 

 

産業医は、あなたの会社を支える、社員の健康を守るその基軸となるものです。

 

 低価格で引き受けてくれるところの産業医は、

 

  名ばかりの産業医で会社訪問や職場巡視なし(名義貸し産業医)、

 

  従業員の面談はすべてその産業医のクリニック(もちろん別料金)、

 

  社員の定期健診もすべて提携(もちろんこれも別料金)などが多く、

 

また、会社の既存の方法から全く進歩のないシステムをそのまま続けることが多いのも事実です。

 

 

実際のところ、安い産業医は、その程度のサービスしかできないのです。

 

 

それでは、あなたの会社のための、いい企業内産業保健サービスは作れません。

 

実際にそういう企業内産業保健サービスをもっていないからこそ、従業員の心と体の健康に関係するトラブルが次から次へと深い傷跡を残していると思われます。

 

 

企業内産業保健サービスは、産業医を雇っておしまい、あとは健診での有所見者、過重労働者や復職者を面談させておしまい、というものではありません

 

 

従業員が日々の業務の中でも会社の産業医の存在を知っており、会社が従業員の健康を気遣っていることを知っていてこそ、産業医は意味のあるものになります。

 

 

いい産業医は、産業医の業務だけでなく、企業内産業保健サービス全体の活かし方のアドバイスやフォローもきっちりしてくれる産業医です。

 

 

だから、いい産業医の報酬は「高い」。

 

これは値段だけの話ではありません。

 

「内容が高い」のです。

 

 いい産業医をお探しの企業の担当者は、管理人へご連絡下さい。