セクハラ 労災認定の基準見直しへ 事例も示す…厚労省

 厚生労働省は23日、セクシュアルハラスメント(セクハラ)による精神疾患を労災認定に結びつけやすくするよう、認定基準を見直す方針を決めたそうです。


 厚生労働省ではこ「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」が2009年に改定されています。の時は10年ぶりの改定で、主としてパワハラでの精神疾患についての見直しが中心でした。

 セクハラについては、これまで「心理的負荷」について、ストレス強度が一律「2」と評価されていましたが、より悪質な事例にも対応できるように改める方向になっています。

 職場においては、人間関係が最大のストレス要因です。ストレスは誰でも抱えていますが、セクハラやパワハラなど負のストレスを抱えれば、働く人の心理的な負担が大きくなります。

 セクハラの労災認定はなかなか認められにくいものの、最近は大きく報道されるようになってきていますが、労災認定基準見直しにより、これまで以上に労災が認められやすくなることが期待できます。

 とはいえ、セクハラやパワハラなどの職場のトラブルは、まず防止することが一番大事なことであるのは言うまでもなく、無用なトラブルは避けたいものです。

【記事】

 <セクハラ>労災認定の基準見直しへ 事例も示す…厚労省

 厚生労働省は23日、セクシュアルハラスメント(セクハラ)による精神疾患を労災認定に結びつけやすくするよう、認定基準を見直す方針を決めた。同省は職場での「心理的負荷」について、セクハラに関してはストレス強度(1~3の3段階)を一律「2」(中程度)と評価しており、特別な事情がない限り労災と認めていない。このため年内にも基準を見直し、継続的な身体接触など悪質事例は最も強い「3」とするよう改める。同日、厚労省の有識者検討会が見直し案をまとめた。

 精神疾患の労災認定は、仕事上のストレスの強さを評価したうえで個々の事情も勘案して判断している。ストレス強度は、退職を強要された(3)▽左遷された(2)▽経営に影響する重大ミスを犯した(3)--など。「3」なら確実に労災認定されるわけではないが、「3」でないと認定されにくい。

 現在、セクハラはひとくくりに「2」と評価されている。特別の事情があれば労働基準監督署の判断で「3」に修正できるが、判断基準は「セクハラの内容、程度」とあるだけで修正例は少ない。

 このため有識者検討会は、セクハラの中でも、強姦(ごうかん)や本人の意思を抑圧してのわいせつ行為▽胸など身体への接触が継続した▽接触は単発だが、会社に相談しても対応、改善されない▽言葉によるセクハラが人格を否定するような内容を含み、かつ継続した--などの事例を挙げ、該当すれば「3」と判定すべきだとした。

 厚労省によると、10年度に各都道府県の労働局に寄せられた2万3000件超の相談の過半数がセクハラに関するもので、11年連続最多。一方、09年度の労災申請のうちセクハラがあったとするものは16件で、実際に労災認定されたのは4件。05年度からの5年間でも、認定は21件にとどまる。

◆セクハラに関し、ストレス強度を「3」とする例◆

▽強姦や本人の意思を抑圧してのわいせつ行為

▽胸や腰などへの身体接触を含むセクハラが継続して行われた

▽身体接触を含むセクハラで、継続していないが会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった。または会社へ相談後、職場の人間関係が悪化した

▽性的な発言のみだが、人格を否定するような内容を含み、かつ継続してなされた

▽性的な発言が継続してなされ、かつ会社がセクハラを把握しても対応がなく、改善されなかった

    (6月23日 毎日新聞)

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