被災地以外の外傷後ストレス障害(PTSD)について

2011-08-11
いつもありがとうございます。

産業医の武神です。

今回は、

【被災地以外の外傷後ストレス障害(PTSD)について】

という内容のお話しをさせて頂きます。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



3.11.のような、生死の境をさまようような経験をして心的外傷を受けると、

誰もが恐怖感や無力感を感じます。

通常、時間の経過とともに恐怖感や無力感は自然と消えていきますが
1カ月以上たってもそうした状態が続く場合、

外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)

が疑われます。



PTSDは、被災者の5~10%が発症するともいわれています。

被災者ばかりでなく、過酷な業務に携わる救援者のPTSDも問題とも指摘されています。



PTSDには大きく分けて3つの症状があります。

1.侵入
 心的外傷を受けた出来事などについて思い出したくないのに思い出してしまう

2.過覚醒
 音などに過剰に反応したり不眠になったりする

3.回避・麻痺
 出来事について考えることを避けたり、喜怒哀楽などの感情が麻痺したりする




被災者の中でも、小児や女性、障害者や社会的弱者が発症しやすいとされています。

過去の自然災害での発症率は被災者のうち5~10%程度とのことです。



PTSDの患者は、うつ病やパニック障害などを併発することが多く、

PTSDの3つの症状に加え、そうした病気を併発している患者に対しては、

社会的支援に加えて薬物治療も考慮する必要があります。


一般的に第1選択は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などですが、

基本的には、薬物治療は少量からはじめ、

症状の改善が見られても少なくとも1年間は投与を続けるとも言われています。


自殺願望やアルコール依存症のある患者、食事摂取や生活維持が困難な患者は専門医への紹介が必須です。




被災者ばかりでなく、救援者もPTSDを発症するリスクがあります。

とくに、自衛隊や消防、警察などの救援者達は

被災者より高い発症率が認められています。

救援活動の中で心的外傷を受けるためです。



2004年のスマトラ沖地震では、

海に打ち上げられた遺体の回収などに携わった作業員の心的外傷が問題となりました。



東日本大震災でも救援者、

特に遺体の回収や身元確認、原発事故対応などの業務に当たっている自衛隊員や警察官、消防隊員、自治体関係者

などへの精神的ケアが求められます。



一方、被災地にはない一般企業でも、注意が必要な人たちがいます。

人事や総務の災害時担当者など、

3.11.の後に通常業務以上に忙しくなった人たち、

社員の訃報などの対応に追われた人たちです。


なるべく、2人以上でこのような業務にあたることが負担を軽減するといわれています。




一般社員の場合、PTSDではないものの、

テレビなどで被災地の映像を長時間視聴して、

腹痛や頭痛、不眠などを訴える人もいます。


中には、医療機関を受診する人も出ています。

こうした人たちには対症療法が必要なこともありますが、


まずは、テレビの視聴時間を最小限にとどめること

そして、従来の日常生活を取り戻すこと(趣味やお稽古の再開)、

規則正しい生活と睡眠

を指導しています。


以上、
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。


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