今日は、産業医の立場からのメルマガで、
【お前の腹筋はすでに割れている!】
(北斗の拳のケンシロウの台詞っぽく、読んでください)
という内容です。
毎年夏になると必ずある、
定番の産業医への相談内容についてお話しします。
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「筋肉をつけて、痩せるには、どうするのが一番いいですか?」
—いつまでにそうなりたいのですか?
「できれば、2-3ヶ月で」
—「・・・」
「最近広告でもやっているじゃないですか。」
—ライ○ップですね。
「はい、腹筋が6つに割れた感じになりたいんです。」
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そんなわけで、今日は、
筋トレとダイエットの関係のお話です。
まず、2ヶ月で結果をだすライ○ップですが、
広告だと、筋トレ頑張っていますね。
しかし、医学的にみると、あれはきっと
【筋トレ】<<【食事管理】
でやっています。
結論から申し上げますと、
筋肉は既についています。
腹筋もすでに6個に割れています。
ただ、脂肪のコーティングのために、見えていなかっただけ。
たね明かしは、
しっかり食事管理して
分厚い脂肪のコーティングがはがれたら
あら、不思議。隠れていた筋肉が見えてきた!
という感じです。
食事管理は
摂取するカロリーは落としても、
摂取するタンパク質量は落とさない、が主体でしょう。
プラス、筋トレです。
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お前の腹筋はすでに割れている
ただ、今は見えていないだけ。
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(そもそも、解剖学的に、腹直筋はみんな6個に割れているんです)
何でそうなるのかというと、
人間のからだには、
カラダを作る「同化作用」
と、
カラダを壊す「異化作用」
の2つのエネルギーの流れしかない
からです。
同化作用(anabolism)は、
筋肉も脂肪も含めて、カラダにつける=カラダを作る 状況です。
たくさんのエネルギー摂取を必要とします。
たくさんの運動は当然ながら、
正しい食事、質のいい睡眠(成長ホルモン等の分泌)も
必要です。
異化作用(catabolism)は、
筋肉も脂肪も含めて、そういうものを分解して=からだを壊して、
エネルギーを作っているのです。
メージとしては、食事をとれないと、生命維持のために
体脂肪や筋肉が消費されるのですね。
もちろん、人間のカラダは、この両方が行われていますが、
胸だけ同化作用、腹だけ異化作用、
とはいきません。
カラダ全体として、どっちの作用に傾いているのか
が、大切なのです。
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つまり、筋肉をつけるためには
同化作用が主 である必要があります。
摂取するエネルギーは十分である必要があり
つまり、結果として、
脂肪もつくのです。
体脂肪を落とすときには
異化作用が主 である必要があります。
摂取カロリーよりも、消費カロリーが多い状態
でなければなりません。
結果として、筋肉はつきにくく、落ちやすい状態です。
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筋肉ムキムキのボディービルダーの人達は、
大会のないときは、結構、肥満気味です。
大会に向けて、食事制限を行い、脂肪を落とす(カラダをしぼる)のです。
(実際は、不健康のレベルまで落とすらしいです。ここでは割愛します。)
最近、もともと痩せ気味のお笑い芸人さんが、ボディービルをめざしましたね。
あれも、まずは、太ってもいいので、筋肉も脂肪もつけて、
その後
大会に向けてしぼったのです。
オリンピック競技などにもある、ウエイトリフティング。
この選手達(パワビルダー)は、
見た感じ、結構太めの人が多いですよね。
パワービルダーは、”肉体を見せるためにしぼる”必要がありませんので、
脂肪も筋肉もついているのだと理解してください。
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そんなわけで、
長期的にみれば、筋肉をつけて痩せる、は可能ですが、
短期的には難しいというのが、産業医としての見地です。
結局は、何を優先したいのか? ですね。
体重を落としたいのであれば、運動(筋トレ)よりも食事管理
体型を改善したいのであれば、食事管理よりも、運動(筋トレ)
を主体とべきでしょう。
もちろん、有酸素運動をたくさんしながら食事管理をしっかりしたほうが、痩せます。
また、筋トレだけでなく、食事管理もしっかりしないと、効率のいい筋肉の発達は得られません。
興味ある方は、産業医面談にお越し下さい。
以上、ご活用頂けますと幸いです。
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