メンタルヘルスへの対策の背景

 

近年、企業内産業保健サービスにおいて重視すべき課題としてメンタルヘルス対策があります。

 

「仕事に強い不安、悩み、ストレスを感じている」と回答した人の割合は、全体の半数を超え、メンタルヘルスケアの必要性が明らかな数値となっています。

労働者のストレス状況

出典:厚生労働省 平成19年労働者健康状況調査 「精神的ストレス等の状況」

 

また、厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」によると、平成8年には43.3万人だったうつ病等の気分障害の総患者数は、平成20年には104.1万人と9年間で2.4倍に増加しました。

気分障害患者数推移

注意:「患者調査」は、医療機関にかかっている患者数の統計データですが、うつ病患者の医療機関への受診率は低いことがわかっており、実際にはこれより多くの患者がいることが推測されます。

 

精神疾患の患者数は、近年、うつ病などの気分障害やアルツハイマー病などを中心に増加しており、平成20年患者調査では320万人を超えています。
現行の「4疾病」の患者数よりも多くなっていること等を踏まえ、4疾病に精神疾患を追加し、重点的に対策を進めていくことが決まりました。
「5疾病5事業」になった新しい医療計画が平成25年度から実施されます

5疾病5事業

 

2006年の「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケートによると、

 

最近3年間における「心の病」は6割以上の企業が「増加傾向」と回答し、過去2回の結果と比較すると、一貫して増加しています。

 

心の病が増加傾向と答えた企業は?

 2002年:48.9%、
 2004年:58.2%、
 2006年:61.5%

 と増加傾向にあります。

 

メンタルヘルスに関する対策に力を入れる企業は?

        2002年:33.3%、
  2004年:46.3%、
  2006年:59.2%と、
 メンタルヘルスに関する対策に力を入れる企業も倍近くに増えています。

 

 

さらに、メンタルヘルス対策について、約9割の労働組合が必要性を肯定していることを示したものもあります。(2005年、連合「第5回安全衛生に関する調査」)。

 

最近のデータでは、2007年度に労働相談情報センターに寄せられたメンタルヘルス(心の健康)に関する相談数は、5946件で、2006年度から105.7%増し、ほぼ倍増となっています。

中でも、「職場の嫌がらせ」が2割増加、また、英会話学校等で働く「外国人関連の相談」も2割増加となっています。

 

 

このようなことから、個々の企業、事業場で着実にメンタルヘルス対策が実施されることが求められています。

 

 

また、メンタルヘルス不調の労働者が休業から復帰し、又は継続して働き続けられるようにするといった再チャレンジを支援する仕組みについても早急に構築する必要があります。

 

各社がそれぞれの会社に合わせた、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援プラン」を作成することは、その労働者のみならず会社および人事に関与する人にとって、とても有意義であると思います。

 

今後とも、こうした対策の実施状況を踏まえて、より効果のあるメンタルヘルス対策について検討していくことが必要です。

 

 

(参考)最近のメンタルヘルスに関する労働行政の取組み

1999年9月 「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」

2000年8月「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」

2001年4月 「労働時間の適正な把握の為に使用者が講ずべき措置に関する基準」

2002年2月 「過重労働による健康障害防止の為の総合対策」

2004年10月               「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

2006年3月 「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」

 

 

心の病が増加傾向と答えた企業は?

2002

2004

2006

48.9%

58.2%

61.5%

 

また、メンタルヘルスに関する対策に力を入れる企業も倍近くに増えています。

 

メンタルヘルスに関する対策に力を入れる企業は?

2002

2004

2006

33.3%

46.3%

59.2%

 

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