豚インフルエンザ(H1N1) Swine Influenzaについて

このニュースは、豚インフルエンザ(H1N1) Swine Influenzaが世間をにぎわしておりますので、upさせて頂きます。

産業医.comからみた豚インフルエンザ対策です。

(すでに、あなたの会社の産業医から適切な連絡があった場合は不要なお知らせです。)

厄介なことに、日本ではもうすぐGWです。
海外旅行に行く人もいれば、旅行から帰国する人も生じます。

何かの時に、産業医は連絡取れるようになっていますか?


情報が刻々と変化する中、細かいことは抜きにして、基本的な原則2つをおさえましょう

まず、
パニッくる社員が(いないとは思いますが、)いる場合は、言うまでもないことですが、

WHO,CDC(米国)、厚生省、東京都、などの、しっかりとしたところの情報のみで事実(FACT)を把握し、

ブログ等の信頼性の低い情報はあくまでも、「今後起こりうる可能性についての1つの見かた」という程度の認識ということを、再確認しましょう。

有用なHPへのリンク

WHO  
www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html

CDC  www.cdc.gov/swineflu/

厚生省 www.mhlw.go.jp/

次に、
個々人の自らの予防意識と共に、病気を会社にもってこない意識を徹底しましょう。

GW前に関しては、
発生国からの出張者・帰国者の把握、そのうち風邪やインフルエンザ症状(熱、咳、喉の痛み、鼻つまり、だるさ等)がある人は、会社に来させないで自宅待機とし、医療機関へ行くようにすることが大切と思います。

GWにメキシコをはじめ、外国に行く人も多いと思いますが、念のため、外務省の発表をチェックするように促してはいかがでしょうか。
www.anzen.mofa.go.jp/

GW明けは、
あと2Wあるので、状況がかなり変わっていると予測され、なんともいえませんが、
基本的には
社員出社時も、風邪やインフルエンザ症状(熱、咳、喉の痛み、鼻つまり、だるさ等)がある人は、会社に来させないで自宅待機とし、医療機関へ行くようにすることが大切と思います。

あなたの会社は、どのようなスタンス・ポリシーになっていますか?


産業医が唱える 企業の新型インフルエンザ対策のポイント

お問い合わせで複数ありました「新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ)対策について」簡単にポイントを提示します。

企業での勉強会、講習会ご希望の方はお問い合わせ下さい。

鳥インフルエンザ/Avian Flue (H5N1) and 新型インフルエンザPandemic Influenza

1. 鳥インフルエンザと新型インフルエンザは違います。

 鳥インフルエンザはもともと野鳥を自然宿主とするウイルスで、鳥と共生関係にあり通常は野鳥にはほとんど症状を起こしません。人間に感染することは稀です。

 鳥インフルエンザが人から人への感染性を獲得したものが新型インフルエンザです。このような新型インフルエンザの出現は20-30年に一度の周期で起きてきています。

 新型インフルエンザが出現すると世界的な爆発的流行が1-2年にわたって起こると予想されますが、新型インフルエンザに対しても多くの人が免疫を持つようになると、普通のインフルエンザと認識されるようになります。

Avian Flue (H5N1) and Pandemic Influenza is different!

 

 

 

 

 

2.日本で新型インフルエンザが発生すると、どのくらいの死亡者が発生するか?

過去に新型インフルエンザが発生した際の全世界での死亡者の推計では、スペインかぜで、4000から5000万人、アジアかぜで200万人、香港かぜで100万人と推計されています。

・ただし、死亡者数は、ウィルスの病原性ばかりでなく、発生時の社会経済状況、医療水準、対策の良否が大きく影響します。現代は、医療水準、社会基盤は向上しているものの、航空網の発達や巨大都市化による急速な感染拡大の懸念があります。

・ワクチンや抗インフルエンザ薬等による介入をしなければ、

 日本の総人口の25%、3200万人が発症する可能性があるといわれています。

 致死率が最大で2.0%であれば64万人の死亡者が予測されます(日本人口比0.5%にあたります)。

 


産業医が唱える 企業の新型インフルエンザ対策のポイント

産業医が唱える企業の新型インフルエンザ対策のポイントは、

正しい知識を持つこと

状況に分けた対策計画を持つこと です。

あなたの会社の産業医を活用し、会社にあったインフルエンザ対策を作りましょう。

1.鳥インフルエンザ・Avian Flue (H5N1)の正しい知識

人での感染の特徴。

  ほとんどの症例で重症肺炎からARDSを併発し呼吸不全

  強い全身症状、多臓器不全、下痢、脳炎様症状などの呼吸器以外の症状も見られる。


決定的な治療薬はなく、致死率高いため予防が大切。

  流行地域に行かない。

  鶏など家禽との接触を避ける。羽毛、排泄物、加熱不十分な肉・卵製品を避ける。


鳥インフルエンザウイルス感染を疑うべき患者
現在の日本において鳥インフルエンザウイルス感染を疑う患者は、以下の条件を満たす者です。

  1)H5N1鳥インフルエンザが流行している地域へ渡航または在住し、帰国後10日以内
  
  2)その地域で鳥(体液や排泄物も含む)またはH5N1鳥インフルエンザ感染の患者と接触した
  
  3)咳・痰・呼吸困難などの呼吸器症状、および発熱を有する

  

2.新型インフルエンザ・Pandemic Influenzaの正しい知識

特徴

  症状は、咳・痰・呼吸困難などの呼吸器症状および発熱。(普通のインフルエンザに近い)


感染の拡大の予防が大切です。

  外出後の手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えること(不要不急の外出の自粛)が重要。

  十分な休養で体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切。

  Respiratory hygiene & Cough etiquette:呼吸器衛生と咳エチケット

発症したら?

  抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限

  疑わしいときは自宅待機。会社に来ないでいい企業文化をつくっておきましょう。

  産業医へ連絡。  (こういうときに非協力的な産業医は変えたほうがいいと思います。)



3.企業における平常時の新型インフルエンザ対策のポイント

正しい知識を持つ

  鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

  新型インフルエンザも「インフルエンザ」の一種

予防方法の習慣化

  咳エチケット、手洗い、うがい、

  N95マスク・・・1枚約100円、1日1-2枚←アマゾンで買えます
3M社製 N95マスク 8000N95(1箱30枚入)
3M社製 N95マスク 8000N95(1箱30枚入)

  食料品や日用品の買い置き

 

4.企業における新型インフルエンザが発生した時の対策

 新型インフルエンザが発生した時は、国・都も迅速に情報を発信します。(海外発生はWHOが発信)

 まず、正確な情報収集を

 感染しないために、咳・発熱症状の人には近づかない。不要不急の外出の自制

 もし発熱・咳等あり、発症が疑われる時は保健所や区市町村に連絡を。

 あやしい人は、自宅待機。会社に来ないでいい企業文化をつくっておきましょう。

 産業医にも連絡を


以上、ごく簡単に説明しました。

企業での勉強会、講習会ご希望の方はお問い合わせ下さい。希望に応じて、単に勉強会で終わらず、その後の体制作りまでサポート致します。


従業員50人以下の小規模企業の経営者の方々へ

会社の経営者にとって、従業員が心身ともに健康で、元気に働いてくれることは本当に大切なことです。

 

病気で休む従業員がでれば、それを誰かがカバーしなくてはなりませんし、その人にしかできない仕事があれば顧客に迷惑をかけ、会社の信用にも関わります。

 

しかしながら、小規模企業ほど、代わりの人材がいないことが多いのが現状ではないでしょうか。

 

また、近年、高脂血症、高血圧症などの基礎疾患を抱えた方が長時間の残業を続けた後に急死する、いわゆる「過労死」も社会問題化しています。

 

もし従業員がこのようなことになったりすると、有為な人材を失うのみならず、遺族から損害賠償等の訴訟を起こされることがあるかもしれません。

 

従業員の健康管理の基本は、健康診断の実施です。残念なことに、会社の規模が小さくなるにつれて実施率が下がる傾向があります。

 

一方、健康診断の結果、何らかの異常な所見のあった従業員の割合は、会社の規模が小さくなるにつれて高くなっています。

 

 

産業医.comでは、労働者健康福祉機構による「小規模企業の経営者のための産業保健マニュアル」をわかりやすく、解説させていただこうと思います。

 

このセッションは、従業員50人未満の会社の経営者を対象に、従業員の健康を守るためにどのようなことを行わなければならないのかを理解していただければと思います。

 

記載されている内容の中には、実施が義務づけられていて、実施しないと処罰されるものもあります。

 

産業医を選任する義務のある従業員50人以上の事業所にはあてはまらないところもありますので、ご注意下さい。

 

あなたの会社の従業員の健康管理に役立ててください。


産業医から小規模企業へ①-1 一般定期健康診断の必要性とその実施項目

産業医からの質問:

 

 あなたの会社は、年1 回、定期に一般健康診断を実施していますか?

 

 

従業員の安全と健康を守るための「労働安全衛生法」という法律は、経営者に対して、「1年に1回、定期に健康診断を実施」することを義務づけています。

 

これを「一般定期健康診断」といいます。

 

たとえ従業員が1人でも、実施する義務があります(労働安全衛生法66 1 項)。

 

 

一般定期健康診断は、従業員が元気に働くことができるよう、胸部エックス線検査、血圧の測定、肝機能検査などの定められた項目を実施し、その結果を健康管理に生かすためのものです。

 

この一般定期健康診断を実施しない経営者は、処罰されることがあります。

 

 

一般定期健康診断の項目

 

これらの中には年齢、医師の判断により省略可能な項目があるので、産業医または健康診断機関にご相談ください。

 

既往歴及び業務歴の調査、

自覚症状及び他覚症状の有無の検査、

身長・体重・腹囲・視力及び聴力検査、

胸部X線検査及び喀痰検査、

血圧の測定、

貧血検査、

肝機能検査、

血中脂質検査(LDLコレステロール、HDL コレステロール、血清トリグリセライド)、

血糖検査、

尿検査(尿糖検査も必須)、

心電図検査


産業医から小規模企業へ①-2一般定期健康診断の実施方法

一般定期健康診断を実施するための方法について

 

① 近くの診療所、病院などで一般定期健康診断が受診できないか相談してみてください。

 

 できれば、「産業医」の資格を持っている医師がいる診療所などに相談してください。受診が可能な場合は、毎年、定期に全従業員を受診させてください。

 

 

② 近くの診療所などで一般定期健康診断が受診できない場合は、もよりの健康診断機関に連絡を取り、毎年、定期に全従業員を受診させてください。

 

 

「産業医」とは?

会社の従業員の健康管理を産業医学の専門家として実施することのできる資格を持った医師。

労働安全衛生法により、会社の規模に応じて選任基準があり、従業員50 人以上の会社は、産業医を選任する義務があります。

 

「健康診断機関」とは?

国は全国労働衛生団体連合会に委託し、「総合精度管理事業」を実施しており、本事業に参加し、評価が一定レベルに達した健康診断機関が公表されていますので積極的に活用してください。

全国労働衛生団体連合会の連絡先は、巻末の付録を参照してください。


産業医から小規模企業へ②-1 健康診断の結果の通知の必要性

産業医からの質問:

 

 あなたの会社では、健康診断の結果を受診した従業員に通知していますか?

 

 

労働安全衛生法は、経営者に対して、健康診断の結果を受診した従業員すべてに通知することを義務づけています(労働安全衛生法66条の6)。

 

これは、健康診断の結果を本人が知り、自らの健康管理に役立てるためです。この通知を行わない経営者は、処罰されることがあります。


産業医から小規模企業へ②-2 健康診断結果の通知の方法

具体的な通知の方法について

 

①近くの診療所などで健康診断を受診させた場合は、その結果を労働衛生の担当者に渡すようにお願いしてください。

 受け取った結果は、コピーをとった後、コピーを受診した従業員に渡してください。

 

②健康診断機関で健康診断を受診させた場合は、健康診断機関から、本人用と会社の保存用の2つの健康診断結果が送付されてくる場合がありますので、本人用の結果を受診した従業員に渡してください。


産業医から小規模企業へ③-1 健康診断の結果の記録の必要性

産業医からの質問:

 

 あなたの会社では、健康診断の結果を記録して保存していますか?

 

 

労働安全衛生法は、経営者に対して、実施した健康診断の結果を記録して保存することを義務づけています(労働安全衛生法66条の3)。

 

例えば、肝機能などの検査結果の経時的変化を見ながら、メタボリック症侯群(生活習慣病、成人病)の早期発見と予防のための健康管理や適正配置などの就業上の配慮を行うためです。

 

この記録と保存を行わない経営者は、処罰されることがあります。