いつもありがとうございます。
産業医の武神です。
今回は、
【ストレスで腰痛!?】
という内容のお話しをさせて頂きます。
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。
2011/2/13日付の日本経済新聞の日曜面に
「腰痛8割は原因不明」
という見出しがありました。
腰痛は誰もが経験しうる痛みです。
こういうところから、衛生委員会の議題(ネタ)を仕入れることが出来ると、
毎月のネタ選びがそこまで大変ではなくなると思います。
以下、ご活用いただけますと幸いです。
腰痛とは?
腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の
【総称】です。
座骨神経痛を代表とする下肢の症状を伴う場合も含みます。
腰痛は原因により2つに分類されます。
【特異的腰痛と非特異的腰痛】
医師の診察およびX 線やMRI などの画像の検査で
腰痛の
【原因が特定できるもの】を特異的腰痛、
【厳密な原因が特定できないもの】を非特異的腰痛
といいます。
例えば、
ぎっくり腰は、椎間板(ついかんばん)を代表とする腰を構成する組織のケガであり、
医療機関では腰椎捻挫(ようついねんざ)又は腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されます。
しかしながら、
厳密にどの組織のケガかは医師が診察してもX 線検査をしても
【断定できないものは】非特異的腰痛と呼ばれます。
【腰痛の約85%】はこの非特異的腰痛に分類されます。
通常、腰痛症と言えば非特異的腰痛のことを指します。
<特異的腰痛の代表例>
原因が確定できる特異的腰痛は、
医療機関を受診する腰痛患者の15%くらいの割合といわれています。
その内訳は、
腰椎椎間板ヘルニア:4~5%
腰部脊柱管狭窄症:4~5%
上記2つは、
腰痛自体よりも座骨神経痛を代表とする
【脚の痛みやしびれが主症状】の疾患です。
圧迫骨折:約4%
これは、高齢者の骨粗鬆症の方に多いですね。
他は、、
結核菌も含む細菌による背骨の感染(感染性脊椎炎):約1%
癌の脊椎への転移など背骨の重篤な病気:約1%、
尿路結石や解離性大動脈瘤など背骨以外の病気:1%未満
<非特異的腰痛>
どこかに痛みの原因がある可能性は高いですが、
どこが発痛源であるかを厳密に断言できる検査法がないため、
痛みの起源を明確にはできないのが、非特異的腰痛です。
ぎっくり腰等の非特異的急性腰痛は、
初期治療を誤らなければ多くは短期間でよくなります。
しかし、一度発症すると、その後長期にわたり再発と軽快をくり返しやすいことが特徴です。
骨のずれ(すべり)やヘルニアなどの画像上の異常所見があっても、
腰痛で困っていない人はいますし、
逆に、腰痛の経験があっても画像所見は正常な場合もあります。
画像上の異常所見は必ずしも痛みを説明できません。
肉体的な問題よりも、
心理的な問題が、腰痛の原因になっている人も増えているようです。
ストレスケアは、うつ病などの予防だけでなく、
腰痛対策としても大切ですね。
以上、
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。