自殺対策:眠れていますか?

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は、

【自殺対策:眠れていますか?】

という内容のお話しをさせて頂きます。


途中で、

【WHOによる国際規格の不眠判定法】

を紹介させていただいております。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



わが国では、13年間、自殺者が毎年3万人を超えています。

特に、3月は1年の中で最も自殺率が高い月です。

そこで、あなたの会社の2月の衛生委員会では、

【自殺予防】

に、役立つネタをしてみてはいかがでしょうか?


働く世代の中高年男性において自殺は、

がん、心疾患、脳血管疾患の三大死因に匹敵する問題となっています。


中高年の自殺で、【うつ】が起因しているものは少なくありません。

ただし、【うつ】の症状には、本人の自覚しにくいものも多く、

家族や周りの人も気づきにくい傾向があります。



【うつ】の症状の中で、もっとも自覚しやすいものは

【不眠です。】



うつ病と不眠には、深い関係があります。


うつ病は、気分の落ち込みなど、

精神的な症状だけが現れると思われがちですが、

実はさまざまな症状が出てきます。


睡眠障害や食欲の低下、

頭痛や肩こり、腰痛なども現れる場合があります。


うつ病にかかると、

 疲れているのに眠れない(入眠障害)、

 夜中に目を覚ましてしまう(中途覚醒)、
 
 朝早くに目覚めてしまうなど(早期覚醒)、

など、ほとんどの人が【何らかの形で睡眠に障害】をきたします。



自分はちゃんと眠れているか?

これを調べるために、

【WHOによる世界標準の不眠評価法】が、あります。



これは、アテネ不眠尺度といい、

2000年に世界保健機関( WHO )が中心となって作った、

世界標準の不眠評価法です。

あなたの今の不眠の程度を測定します。


【詳細は、こちら!アテネ不眠尺度(AIS)】
Soldatos et al.: Journal of Psychosomatic Research 48:555-560, 2000

【全てを印刷したい人はこちらをご活用ください】



2週間以上の不眠が、休日も含め毎日続くときは、うつのサインかもしれません。

「たかが眠れないくらいで」と思わず、

疲れていても眠れない日が続くようでしたら、

早めにかかりつけのお医者さんや専門機関へ相談してみてください。



周りの人から見ても、

【睡眠の問題には気づきやすいものです。】

まずは

【眠れてますか?】

の一言から、身近な方へ、

【声かけ】を行ってみてください。



2週間以上継続する不眠の早期発見が、

うつ病の早期発見・早期治療、ひいては自殺予防につながるかもしれません。


以上、
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



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