産業医が唱える 企業の新型インフルエンザ対策のポイント

お問い合わせで複数ありました「新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ)対策について」簡単にポイントを提示します。

企業での勉強会、講習会ご希望の方はお問い合わせ下さい。

鳥インフルエンザ/Avian Flue (H5N1) and 新型インフルエンザPandemic Influenza

1. 鳥インフルエンザと新型インフルエンザは違います。

 鳥インフルエンザはもともと野鳥を自然宿主とするウイルスで、鳥と共生関係にあり通常は野鳥にはほとんど症状を起こしません。人間に感染することは稀です。

 鳥インフルエンザが人から人への感染性を獲得したものが新型インフルエンザです。このような新型インフルエンザの出現は20-30年に一度の周期で起きてきています。

 新型インフルエンザが出現すると世界的な爆発的流行が1-2年にわたって起こると予想されますが、新型インフルエンザに対しても多くの人が免疫を持つようになると、普通のインフルエンザと認識されるようになります。

Avian Flue (H5N1) and Pandemic Influenza is different!

 

 

 

 

 

2.日本で新型インフルエンザが発生すると、どのくらいの死亡者が発生するか?

過去に新型インフルエンザが発生した際の全世界での死亡者の推計では、スペインかぜで、4000から5000万人、アジアかぜで200万人、香港かぜで100万人と推計されています。

・ただし、死亡者数は、ウィルスの病原性ばかりでなく、発生時の社会経済状況、医療水準、対策の良否が大きく影響します。現代は、医療水準、社会基盤は向上しているものの、航空網の発達や巨大都市化による急速な感染拡大の懸念があります。

・ワクチンや抗インフルエンザ薬等による介入をしなければ、

 日本の総人口の25%、3200万人が発症する可能性があるといわれています。

 致死率が最大で2.0%であれば64万人の死亡者が予測されます(日本人口比0.5%にあたります)。

 

産業医が唱える 企業の新型インフルエンザ対策のポイント

産業医が唱える企業の新型インフルエンザ対策のポイントは、

正しい知識を持つこと

状況に分けた対策計画を持つこと です。

あなたの会社の産業医を活用し、会社にあったインフルエンザ対策を作りましょう。

1.鳥インフルエンザ・Avian Flue (H5N1)の正しい知識

人での感染の特徴。

  ほとんどの症例で重症肺炎からARDSを併発し呼吸不全

  強い全身症状、多臓器不全、下痢、脳炎様症状などの呼吸器以外の症状も見られる。


決定的な治療薬はなく、致死率高いため予防が大切。

  流行地域に行かない。

  鶏など家禽との接触を避ける。羽毛、排泄物、加熱不十分な肉・卵製品を避ける。


鳥インフルエンザウイルス感染を疑うべき患者
現在の日本において鳥インフルエンザウイルス感染を疑う患者は、以下の条件を満たす者です。

  1)H5N1鳥インフルエンザが流行している地域へ渡航または在住し、帰国後10日以内
  
  2)その地域で鳥(体液や排泄物も含む)またはH5N1鳥インフルエンザ感染の患者と接触した
  
  3)咳・痰・呼吸困難などの呼吸器症状、および発熱を有する

  

2.新型インフルエンザ・Pandemic Influenzaの正しい知識

特徴

  症状は、咳・痰・呼吸困難などの呼吸器症状および発熱。(普通のインフルエンザに近い)


感染の拡大の予防が大切です。

  外出後の手洗い、マスクの着用、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えること(不要不急の外出の自粛)が重要。

  十分な休養で体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養をとることも大切。

  Respiratory hygiene & Cough etiquette:呼吸器衛生と咳エチケット

発症したら?

  抗インフルエンザウイルス薬の内服と移動制限

  疑わしいときは自宅待機。会社に来ないでいい企業文化をつくっておきましょう。

  産業医へ連絡。  (こういうときに非協力的な産業医は変えたほうがいいと思います。)



3.企業における平常時の新型インフルエンザ対策のポイント

正しい知識を持つ

  鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

  新型インフルエンザも「インフルエンザ」の一種

予防方法の習慣化

  咳エチケット、手洗い、うがい、

  N95マスク・・・1枚約100円、1日1-2枚←アマゾンで買えます
3M社製 N95マスク 8000N95(1箱30枚入)
3M社製 N95マスク 8000N95(1箱30枚入)

  食料品や日用品の買い置き

 

4.企業における新型インフルエンザが発生した時の対策

 新型インフルエンザが発生した時は、国・都も迅速に情報を発信します。(海外発生はWHOが発信)

 まず、正確な情報収集を

 感染しないために、咳・発熱症状の人には近づかない。不要不急の外出の自制

 もし発熱・咳等あり、発症が疑われる時は保健所や区市町村に連絡を。

 あやしい人は、自宅待機。会社に来ないでいい企業文化をつくっておきましょう。

 産業医にも連絡を


以上、ごく簡単に説明しました。

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