職場における受動喫煙防止策に関する検討会 報告書

いつもありがとうございます。

前回と今回で、

【職場の喫煙・禁煙・受動喫煙問題】

に関するお話しをさせて頂いております。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。


ここ10年ほどで、我々の受動喫煙を取り巻く環境は変化してきました。

また、職場における受動喫煙に対する労働者の意識も高まりつつあるところです。


平成22年5月26日、厚生労働省よりひとつの報告書がupされました。


【職場における受動喫煙防止対策に関する検討会 報告書】
【本報告書のポイント】

1 今後の職場における受動喫煙防止対策の基本的方向
・ 快適職場形成という観点ではなく、労働者の健康障害防止という観点から取り組むことが必要。
・ 労働安全衛生法において、受動喫煙防止対策を規定することが必要。


2 受動喫煙防止措置に係る責務のあり方
・ 労働者の健康障害防止という観点から対策に取り組むことが必要であることから、事業者の努力義務ではなく、義務とすべき。


3 具体的措置
・ 一般の事務所や工場においては、全面禁煙又は喫煙室の設置による空間分煙とすることが必要。
・ 顧客の喫煙により全面禁煙や空間分煙が困難な場合(飲食店等)であっても、換気等による有害物質濃度の低減、保護具の着用等の措置により、可能な限り労働者の受動喫煙の機会を低減させることが必要。


4 事業者に対する支援
・ 事業場の取組を促進するため、技術的支援及び財政的支援を行うことが必要。

5 今後の課題
・ 現状では直ちに禁煙とすることが困難な場合においても、国民のコンセンサスを得つつ、社会全体としての取組を計画的に進めていくことが必要。



【産業医として、最も気になった部分】

p4の今後の職場における受動喫煙防止対策より抜粋させて頂きます。

有害性の認識、国際動向等の受動喫煙を取り巻く環境が変化していることを踏まえると、今後は、

【快適職場形成という観点ではなく、】

【労働者の健康障害防止という観点】

から対策に取り組むことが必要である。


事業者には、「労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」(労働契約法(平成19年法律第128号)第5条)という

【安全配慮義務がある】

ことを考慮に入れると、


【事業者の責任において】

措置を講ずる必要がある


【労働安全衛生法において、】

労働者の健康障害防止に着目した受動喫煙防止対策を規定することが必要である。



あなたの会社の衛生委員会でも、この情報をシェアしてみてはいかがでしょうか?


この内容が堅苦しくなってしまいそうな方のために、

以下、ちょっとした情報ですので、ご活用頂けますと幸いです。


【喫煙によるリスク】
肺癌x4.5、喉頭癌x32.5、咽頭癌x20.3、食道癌x2.1、胃癌x1.5、肝臓癌x1.7、膀胱癌x1.6・・・
肺気腫x2.2、慢性呼吸不全
免疫低下→感染症risk(インフルエンザ、肺炎等)
糖尿病x1.6、虚血性心疾患x5、心筋梗塞による死亡率x1.7、動脈硬化(血管内皮細胞障害)、脳血管性痴呆
流産、早産、周産期死亡、奇形、低出生体重時、乳幼児突然死症候群


【禁煙の効果】
20分血圧が正常になる。
8時間血中酸素濃度が正常になる。
24時間心筋梗塞のリスクが減る。
48時間嗅覚、味覚が回復し始める。
2週間-3ヶ月循環機能が改善。歩行が楽になる。
1-9ヶ月        咳、疲労、息切れが改善する。
5年肺癌のリスクが半分に減る。
10年肺癌のリスクが非喫煙者と同等になる。


以上、あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。


—————————————————
【リンク】
職場における受動喫煙防止対策に関する検討会 報告書
—————————————————

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA