労働安全衛生法は、1972年に初めて制定されました。
その目的は、労働者の安全と健康の確保、および、快適職場環境の形成でした。
当時は、主に建設業や有機溶剤を扱うような危険作業が伴う業種を対象に考えられ、
事業者に対して「業務に直接起因する健康障害」の防止を課した内容でした。
その結果、産業構造上の変化と作業環境管理の強化により、
1980年代になると物理的な有害要因「業務に直接起因する健康障害」は減少しました。
1990年代になると、
過重労働・時間外労働などの問題が浮上し「過労死」が新たな社会的問題として出現しました。
日本人は仕事に生き仕事に死ぬと、 “Karousi”は世界共通語となりました。
Oxford Dictionaryにも載っています。
この結果、
いわゆる「業務に直接起因するとは言えないが、業務と密接な関係を有する健康障害」がクローズアップされてきました。
1990年代後半頃から労働行政の取り組みが強化され、過去10年では、ほぼ1年ごとに対策の指針が改正されています。
過重労働をクローズアップし、脳疾患・心疾患・精神的疾防止のための総合対策が整備されるようになりました。