インフルエンザA対策:STAY INFORMED 正しい知識を身につけよう

産業医.comから、衛星委員会以外で活用できる、インフルエンザA情報です。

今後おこるであろうインフルエンザAの流行に際して、メディアで過度に不安をあおられて、
会社でもいろいろ言う人が出てくると思います。
 

対策は、
STAY INFORMED 正しい知識を身につけよう です。 

基本的に、「正しい知識を身につける」
ことで対処をお勧め頂ければいいと思います。
 
特に、働く世代は、多くは慢性疾患もない元気な人=健常人ですので、安心です。
 
CDC,厚生省ともに、普通の健常人は通常に回復すると言っていますので、ご安心下さい。
 


CDC
How severe is illness associated with novel H1N1 flu virus?
Illness with the new H1N1 virus has ranged from mild to severe. While most people who have been sick have recovered without needing medical treatment, hospitalizations and deaths from infection with this virus have occurred.


いいえ、ほとんどの方が軽症で回復しています。
ただし、持病がある方々のなかには、治療の経過や管理の状況によりインフルエンザに感染すると重症化するリスクが高いと判断される方がいます。とくに次の持病がある方々は、手洗いの励行、うがい、人混みを避けるなどして感染しないように注意してください。また、周囲の方々も、感染させないように配慮するようにしましょう。
  • ・慢性呼吸器疾患
  • ・慢性心疾患
  • ・糖尿病などの代謝性疾患
  • ・腎機能障害
  • ・ステロイド内服などによる免疫機能不全
さらに、次に該当する方々についても、インフルエンザが重症化することがあると報告されています。感染予防を心がけ、かかりつけの医師がいる方は、発症時の対応についても相談しておきましょう。
  • ・妊婦
  • ・乳幼児
  • ・高齢者

まずは、正確な知識をが何事においても大切と思います。

新型インフルエンザ動画情報+アルファ


企業におけるインフルエンザ対策の実態

新型インフル、家族が感染 自宅待機、企業の3割

関連リンクはこちらへ(企業におけるインフルエンザ対策の実態

調査結果のポイント

1. 生活必需品や感染予防のための保護具(マスクなど)の備蓄状況

4社に3社が何らかの備蓄を実施。「マスクなどの保護具」はほぼ100%,「消毒用アルコール性手指消毒剤」も85%が備蓄。「タミフル,リレンザ(抗インフルエンザウイルス薬)」は全体で12%,大企業では27%が備蓄 

2. 流行時の感染予防策の義務づけ

上位三つは,「出社時や外出先から帰社時の手洗い(アルコール消毒を含む)」「通勤・外出時のマスクの着用」「海外出張の自粛・回数抑制」 

3.従業員に感染が確認され,本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱い

「賃金を通常どおり支払う(欠勤しても控除がない)」が33%だが,「賃金や休業手当等は支払わない」も22% 

4. 同居家族に感染が確認された場合の,従業員の自宅待機

「保健所から外出の自粛要請が出された場合は,自宅待機とする」が43%で最多だが,「保健所の判断を待たず,原則として自宅待機とする」も34%あり,大企業では41%に上る

新型インフルエンザ対策で、従業員の家族が感染した場合、「保健所の判断がなくても原則として自宅待機とする」としている企業が3分の1に上ることが9日、財団法人労務行政研究所(東京)が実施したアンケート調査で分かった。企業内の感染拡大防止を重視する一方、このうち1割強は休業手当などを「支払わない」と回答。労働基準法に抵触する恐れもあり、対応に課題が残った。

調査は7月から8月にかけて、同研究所のサイトに登録している民間企業の労務担当者4263人のうち、回答が得られた360社分の状況をまとめた。

調査結果によると、従業員と同居する家族が新型インフルエンザに感染した場合、「保健所の判断なしで原則として自宅待機」と答えたのは122社(33.9%)に上った。このうち最も多かった回答は「賃金を通常通り支払う」で62社(50.8%)だったが、「賃金や休業手当等は一切支払わない」とする企業も18社(14.8%)あった。 

関連リンクはこちらへ(企業におけるインフルエンザ対策の実態
 

従業員が新型インフルエンザにかかったら

産業医.comへお問い合わせの多い「新型インフルエンザ」対応について、簡単に説明させて頂きます。

まず、従業員が新型インフルエンザにかかったら、事業所としてどうしたらいいか?


1.
他の従業員の方々に以下の症状が少しでもある場合には、直ぐに医療施設へ行って診察を受けるように指示をする。

【症状】
発熱、せき、鼻水・鼻づまり、のどの痛み、全身の倦怠感

(注意)診察の際は、職場でインフルエンザの人が出ていることを伝えてください。

もし、発症していた場合は、医師の指示に従い、自宅療養するよう指示をする。
その際は、必ず会社への連絡をするようにする。

職場に、これ以上、新型インフルエンザを持ち込まないというスタンスに協力を呼びかけましょう。


2.
職場の産業医に連絡する。誠実に対応してくれますか?
これは義務ではありませんし、省略は可能です。

あなたの会社の産業医の先生は、どのような対策案をお考えか確認しましょう。

きちんと、産業医としての自覚のある先生は、必ず何らかの対応策をお考えです。

そんなこと、連絡するな!的な対応の産業医は、即刻chanageです。


3.
発症する3.4日前から他の従業員と接触があったかどうか確認をする。(本人より聞き取りをする。)

もし、会議などで他の拠点の従業員(他社含む)と接触のあった場合は、そうちらへの連絡をどうするか(連絡をするかしないかを含めて)、企業としてどうしたいのか、company policyを決めましょう。


4.
自宅療養期間について、現在厚生労働省は以下の考えのようです。

新型インフルエンザと診断された患者の自宅療養の期間については、症状が軽い場合は、発症した日の翌日から7日を経過した日まで、または、発熱が無くなった日の翌々日まで。

自己の判断で無理をして出社しないよう注意しましょう。


5.
感染予防のために、手洗い、うがい、を促進してください。
元気で健康であれば、感染するとは限りません。
体調管理に気をつけましょう。


6.
何か不安なことがあれば、職場での相談連絡先を設け、そこで判断して、可能であれば、産業医への相談を対応できるようにしておきましょう。

働く世代においては、とくに、妊婦さん、糖尿病をお持ちの方、小さいお子様のいる方に対してのcareを。


ご相談ありましたら、お気軽にお問い合わせください。 

産業医ニュース:厚生労働省から新型インフルエンザ対策が一部改訂されました

産業医.comから、新型インフルエンザ関連情報のupdateです。

本日、厚生労働省より、医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針(改定版)、がでました。


企業に関連してきそうな、産業医.com的なポイントは3つです。

現時点を、感染拡大防止措置により患者の増加を抑制しつつ、秋冬の事態に対応するための準備の期間と位置付け

・原則として患者については外出を自粛し、自宅において療養する

・現在、発熱外来を行っている医療機関のみならず、原則として全ての一般医療機関においても患者の診療を行う。

その他の重要個所は続きをクリックしてください。

これを企業レベルで行うために、あなたの会社の衛生委員会でぜひご検討ください。

、医療の確保、検疫、学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する運用指針(改定版)

よりわかりやすい、厚生労働省作成のPDF資料はこちらへお願いします。

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産業医と新型インフルエンザの第二段階(国内発生早期)

5月第3週末の間に、関西でも二次感染者が続出し、日本国内は、新型インフルエンザの第2段階に入りました。

第2段階とは、国内発生早期、ということです。

20090516 pandemic influenza japan phase

 

 

 

 

各会社ごとに、それぞれの新型インフルエンザ対策計画があると思います。

会社のポリシーにのっとったものであれば、基本的にはOKですが、1つ忘れられていそうなポイントをあげさせて頂きます。

事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン

によると、

 従業員本人だけでなく、同居する家族等の発症や従業員の感染者との接触についても把握することが望ましい。

 このインフルエンザは、若者の間で広がる性質が強い傾向にあるようです。

 従業員のご家族の通われる学校などで感染者が出た場合、会社としては、従業員にその旨を自己申告してもらったほうがいいのかもしれません。

 もちろん、その時の対策も考えておく必要があるのでしょう。


その他の、国内向けパンフレットへは続きをクリック!

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産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務2

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

1.新型インフルエンザ(Influenza A H1N1)の情報の整理

2.新型インフルエンザに関して忘れられようとしている点

3.新型インフルエンザ、今、そして、これから何が問題か?

以上、を説明させて頂きます。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人へご連絡下さい。

産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.1

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

1.新型インフルエンザ(Influenza A H1N1)の情報の整理

潜伏期間、感染期間はともに7日程度と推定されているようです。

当初(GWの頃)の8-9日ほどの長さではないということがわかってきました。


通常の季節のインフルエンザと比べ、

 罹患率は、約23%と高めです。(通常のインフルエンザは5-15%)

 死亡率は、約0.4%です。(通常のインフルエンザは0.02-0.1%)

 通常のインフルエンザよりは高いですが、鳥インフルエンザより明らかに低く、このことが「たいしたことない」インフルエンザとの印象を世の中に与えてしまっているように感じます。

 (鳥インフルエンザ(H5N1 Avian Flu)は罹患率は低いが、死亡率は6割を超えて高いとされています。)

 新型インフルエンザにかかると重症化するリスク因子は、

 5歳以下、65歳以上、妊婦、慢性疾患や免疫異常疾患をもつ人、です。

 

 渡航規制や隔離期間に関しての変化

 WHOは、メキシコやアメリカなどへの渡航規制(restriction)を設けないと5/14に表明しました。

 日本国内における感染者・感染の疑いの者の隔離期間は、当初の10日より7-8日に短縮されました。(今後どうなるかは未定ですが・・・)

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産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.2

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

2.新型インフルエンザに関して忘れられようとしている点

・発症国とされているメキシコでの詳細は不明です。ウイルスの起源もわかっていません。

・このウイルスは Quadruple reassortnant virusで、ヒト、鳥、豚2種の4つのタイプの生物にかかりうるウイルスです。

このウイルスが、鳥インフルエンザのウイルスとくっついたり

タミフル耐性インフルエンザウイルス(実在します)とくっつくと、

危険度の高い、場合によっては殺人ウイルスとなる可能性があります。


・現在のH1N1 Influenza A(豚インフルエンザ)の状況が、歴史的に危惧されていた実際のpandemicなのか、それとも単なる序章なのか、それはまだわからないということ。

 数年前に香港で起こったSARSはpandemicとはなりませんでした。

 しかし、これはその後になって言えることで、当時はどうなるかは誰にもわかりませんでした。


秋(10月頃)の日本国内でのインフルエンザシーズンが始まるまでに、この新型インフルエンザワクチンの十分な製造が間に合わない可能性が十分あること。


過度な不安をあおることは不要ですが、まだ、気を抜くには早いような気がします。

会社としてのポリシーと考え、対策をたてておく重要性は変わりません。

豚で準備し、鳥に備える」という考えも大切です。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人へご連絡下さい。

産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.3

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

3.新型インフルエンザ、今、そして、これから何が問題か?Post peak periodに備えよ。

現在WHOの定義するPhase5に我々はいます。

Phase5の意味は、「世界的流行が起こりうる強い可能性がある」。(a strong signal that a pandemic is imminent)

Phase6は、「世界的流行が起こっているという定義です」。(a global pandemic is under way)

大切なのは、その先にも定義があるってことです。
H1N1 Influenza Where are we now May 2009

Post Peak とPost Pandemicという期間があります。



Post Pandemicは、そのインフルエンザがすでに普通のインフルエンザとして認識されるようになってからのことです。たとえば、1918年のスペイン風邪(Spanish Influenza)に関していえば、我々は現在、post pandemicですね。

Post Peak とは
「流行の波が過ぎ去ったようにみえるが、第二の波(流行)がくる可能性があり、それに備えよ」という時期です。
(Pandemic activity appears to be decreasing, however, it is uncertain if additional waves will occur and countries will need to be prepared for a second wave.)

現在、GWの頃ほどはマスコミでも取り上げられる回数も減り、喉もと過ぎた・・・印象をもたれている企業もあるかと思いますが、

秋(10月)頃の日本(北半球)でのインフルエンザシーズンに、再びこのウイルスの波がくるかもしれません。

そして、その時のウイルスの性格は、現在のものと同じという保障はありません。

企業、衛生委員会、新型インフルエンザ対策委員会では、引き続き注意が必要です。


しかしながら、このPost Peak期間は1-2年ともいられています。

その長い間、ずっとピークの緊張感で対処することは不可能かつストレスフルです。

そこで、ゆるいが効果がある、安いが効果がある、従業員にも長期間にわたり受け入れられやすい、対策を考える必要があると思います。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人産業医へご連絡下さい。