産業医から小規模企業へ23-1 快適職場づくりの必要性

産業医からの質問:

 

 あなたの会社では、快適職場づくりに取り組んでいますか?

 

 

労働安全衛生法は、快適な職場環境をつくるため、経営者に対して、作業環境を快適な状態に維持すること、作業方法の改善、従業員の疲労回復のための施設などの整備などに努めることを義務づけています。

また、この快適職場づくりを助けるための指針を公表しています(労働安全衛生法71条の271条の3)。

 

公表されている指針は、快適職場指針と呼ばれ、中災防が快適職場推進計画の認定事業を実施しており、一定の要件を満たせば、助成(職場改善用機器整備等助成金)を受けることができます。

 

また、近年、受動喫煙による健康影響が問題となっており、健康増進法において受動喫煙防止対策が努力義務化されています。

これに伴い、新たな喫煙対策のガイドラインも公表されており、それにしたがって適切な対策をとりましょう。また、中災防では喫煙室等の適合認定事業も実施しています。

産業医も気にする企業(事業所)の健康の保持・増進の取組実施率と取組内容

労働者の健康の保持・増進に取り組んでいる事業所の割合は45.2%[前回37.4%]でした。すべての規模で4割を超えています。

 

事業所規模別にみると、規模が大きくなるほど取り組んでいる事業所の割合が高く、

300人以上のすべての規模で8割を超えていました。

 

問題は、実際に、労働者の健康の保持・増進のために「何」をやっているのかということなのですが・・・

 

事業所規模別にみると、

すべての規模で「健康相談」を挙げた事業所の割合が最も高くなっており、50人以上のすべての規模でその割合が5割を超えています。

 

これは、50人以上の規模の事業所は、産業医を持つことになっており、最低月1回、産業医がその企業を訪問しているためと考えられ、その時に、希望者に産業医との面談=健康相談の機会をもつことができるよう計らっているのだと思われます。

 

健康の保持・増進に取り組んでいる事業所のうち、取組の内容として

1.         「健康相談」を挙げる事業所の割合が46.1%と最も高く、

2.         「職場体操」(33.1%)の順となっています。

 

 図2健康の保持・増進の効果の有無及び効果のあった事項別事業所割合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医も気にする企業(事業所)からみた健康の保持・増進の効果

健康の保持・増進に取り組んでいる事業所のうち、「効果がある」とする事業所の割合は49.5%[前回50.6%]でした。

 

事業所の規模別にみてみると、100人以上の規模の事業所においては、「効果がある」が50%を越え、事業所規模が大きくなればなるほど、「効果ある」とする割合は増加しています。

 

やはり、大きい規模の会社の方が、さまざまな機会や選択枝を社員に提供できることなどがおおきいのでしょうか?

 

効果のあった事項については、

1.         「職場の活性化」(25.4%)、が最も多く、

2.         「喫煙者の減少」(22.5%)、 が高くなっています。

 

しかし、これはあくまで、事業所の回答ですので、実際は、従業員(労働者)の感想を参照することが必要ですね。

 健康の保持・増進の効果の有無及び効果のあった事項別事業所割合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医も気にする従業員(労働者)が、健康管理やストレス解消のために、会社に期待すること

「健康管理やストレス解消のために会社に期待することがある」とする労働者の割合は68.8%[前回65.1%]となっています。

 

そのうち、期待する内容としては、

1.         「がん検診や人間ドックの受診費用の負担の軽減」(41.6%)、

2.         「休養施設・スポーツ施設の整備、利用の拡充」(33.4%)、

3.         「健康診断の結果に応じた健康指導の実施」(27.0%)、

4.         「施設整備等の職場環境の改善」(20.5%) の順となっています。

 

年齢が上になるほど、「健康診断の結果に応じた健康指導の実施」が高くなっており、

年齢が下になるほど、「休養施設・スポーツ施設の整備、利用の拡充」が高くなっています。

 

 

会社に期待することの内容別労働者割合

図5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医も気にする従業員(労働者)の現在の健康状態

従業員(労働者)の現在の健康状態をみると、

  •   「非常に健康である」とする労働者の割合は13.2%、
  • 「まあ健康である」は64.2%であり、

「健康である」とする労働者はあわせて77.4%[前回79.5%]となっています。

 

 

男女別にみると、「健康である」とする労働者の割合は男が76.5%、女が78.7%となっています。

 

現在の健康状態別労働者割合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医も気にする従業員(労働者)の現在の持病の状況

医師から診断された持病が「ある」とする労働者の割合は31.4%[前回28.8%]となっています。

 

男女別にみると、男が33.8%、女が27.8%となっています。

 

持病がある労働者が挙げた具体的な持病の種類(複数回答)としては、

1.         「高血圧」(25.9%) が最も高く、

2.         「腰痛」(24.1%)、

3.         「高脂血症」(16.4%) の順となっています。

 

持病の種類別労働者割合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)

産業医も気にする従業員(労働者)の将来の健康状態に対する不安

81.0%[前回76.0%]の従業員(労働者)は将来の自分の健康状態に対して、不安を抱えています。

 

1.         「大変不安を持っている」とする労働者の割合は10.9%、

2.         「少し不安を持っている」は70.1% です。

 

 

男女別に「不安を持っている」とする労働者の割合をみると、男が81.4%、女が80.4%となっています。

 

将来の健康状態への不安の有無及び程度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください

産業医も気にする従業員(労働者)が普段行っている健康法

自分自身の健康のために普段何か行っている従業員(労働者)の割合は81.1%[前回79.0%]となっています。

 

男女別にみると、男が79.2%、女が83.9%となっています。

 

健康のために何か行っている労働者が挙げた健康法の内容としては、

1.         「食事に気をつけている」(42.5%) が最も高く、

2.         「睡眠をよくとるようにしている」(38.4%)、

3.         「たばこを吸わないあるいは控えめにしている」(36.7%)、

4.         「散歩、体操、ジョギングなどの軽い運動をしている」(30.6%) の順となっています。

 

 

以上、20081010に厚生労働省より発表された「平成19年 労働者健康状況調査」を、産業医.com的に紹介させて頂きました。(詳しくはこのリンク先の報道発表資料でご覧ください。)