メンタルヘルス・ストレス検診(検査)の実施義務化は見送り

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は、

【メンタルヘルス・ストレス検診(検査)の実施義務化は見送り】

という記事をご紹介させて頂きます。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。


産経新聞(2011.11.9.)からの記事です。

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厚生労働省は8日、事業者に全従業員を対象とした医師によるストレス検査の実施を義務づける労働安全衛生法改正案について、今国会への提出を見送る方針を固めた。改正案のもう一つの柱である受動喫煙防止策に与野党の愛煙家らが反発し審議入りのめどが立たなくなったため。嫌煙家で知られる小宮山洋子厚労相だが、今回ばかりは煙たがるたばこに足をすくわれた格好だ。

 改正案は、労働行政に精通する小宮山氏が今国会への提出を強く求めていた。過剰なノルマや上司の叱責などが原因で鬱病となり、労災申請をする労働者は増加しており、これを防止しようと10月の政務三役会議で提出が決まった。

 だが、改正案には、すべての事業所と工場に「全面禁煙」か、喫煙室以外での喫煙を禁止する「空間分煙」を義務づける受動喫煙防止策が小宮山氏の強い意向で盛り込まれた。厚労省は参院での先行審議を予定していたが、与野党から「受動喫煙部分を切り離さないと審議に応じない」との声が続出。12月9日の会期末まで1カ月しかないため、来年の通常国会までに仕切り直すことになった。
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なんとまあ、というのが正直な感想・・・

以上、あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。

労働安全衛生対策をより一層強化します

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は、

【労働安全衛生対策をより一層強化します】

という内容のお話しをさせて頂きます。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。


なお、メルマガの後半に、ポイントの概要スライドへのリンクを載せています。ご活用ください!



平成23年10月24日(月)のニュースです。

【労働安全衛生対策をより一層強化します】

厚生労働省としては、以下ポイントの法律案を作成し、臨時国会提出への準備を進めるとのことです。



【ポイント】

○メンタルヘルス対策の充実・強化

・医師又は保健師による労働者の精神的健康の状況を把握するための検査を行うことを事業者に義務づけます。

・検査の結果は、検査を行った医師又は保健師から労働者に直接通知されます。医師又は保健師は労働者の同意を得ずに検査結果を事業者に提供することはできません。

・検査結果を通知された労働者が面接指導を申し出たときは、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません。なお、面接指導の申出をしたことを理由に労働者に不利益な取扱をすることはできません。

・事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置をしなければなりません。


○型式検定及び譲渡の制限の対象となる器具の追加

・特に粉じん濃度が高くなる作業をする労働者に使用が義務づけられている「電動ファン付き呼吸用保護具」を、型式検定及び譲渡の制限の対象に追加します。


○受動喫煙防止対策の充実・強化

・受動喫煙防止のため、職場の全面禁煙、空間分煙を事業者に義務づけます。

・ただし、当面の間は、飲食店や措置が困難な職場については、受動喫煙の程度を抑えるために一定の濃度又は換気の基準を守ることを義務づけます。


【ポイントの概要スライドはこちら】
【関連リンクはこちら】

以上、

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。

メンタルヘルスを崩した社員への休職の奨め方

先で休職を奨めたいのですが、責任感が強くまじめな社員なので、
休職を奨められたことでショックを受けるかもしれません。
本人の気持ちを考えつつ、休職を奨めるためのよい方法はないでしょうか。いつもありがとうございます。

今回は


【メンタルヘルスを崩した社員への休職の奨め方】

という内容に関するお話しをさせて頂きます。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



お問い合わせによくあるのが、

メンタルヘルスをくずしてしまい、体調が思わしくない社員がおります。
まずは治療優

という内容です。



drtakegami.com的に、独断と偏見でお答えさせて頂きます。

【気分を悪くする内容がある可能性がありますので、ご了承の上、お読みください。】

“メンタルヘルスを崩した社員への休職の奨め方” の続きを読む

被災地以外の外傷後ストレス障害(PTSD)について

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。

今回は、

【被災地以外の外傷後ストレス障害(PTSD)について】

という内容のお話しをさせて頂きます。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



3.11.のような、生死の境をさまようような経験をして心的外傷を受けると、

誰もが恐怖感や無力感を感じます。

通常、時間の経過とともに恐怖感や無力感は自然と消えていきますが
1カ月以上たってもそうした状態が続く場合、

外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)

が疑われます。



PTSDは、被災者の5~10%が発症するともいわれています。

被災者ばかりでなく、過酷な業務に携わる救援者のPTSDも問題とも指摘されています。



PTSDには大きく分けて3つの症状があります。

1.侵入
 心的外傷を受けた出来事などについて思い出したくないのに思い出してしまう

2.過覚醒
 音などに過剰に反応したり不眠になったりする

3.回避・麻痺
 出来事について考えることを避けたり、喜怒哀楽などの感情が麻痺したりする




被災者の中でも、小児や女性、障害者や社会的弱者が発症しやすいとされています。

過去の自然災害での発症率は被災者のうち5~10%程度とのことです。



PTSDの患者は、うつ病やパニック障害などを併発することが多く、

PTSDの3つの症状に加え、そうした病気を併発している患者に対しては、

社会的支援に加えて薬物治療も考慮する必要があります。


一般的に第1選択は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などですが、

基本的には、薬物治療は少量からはじめ、

症状の改善が見られても少なくとも1年間は投与を続けるとも言われています。


自殺願望やアルコール依存症のある患者、食事摂取や生活維持が困難な患者は専門医への紹介が必須です。




被災者ばかりでなく、救援者もPTSDを発症するリスクがあります。

とくに、自衛隊や消防、警察などの救援者達は

被災者より高い発症率が認められています。

救援活動の中で心的外傷を受けるためです。



2004年のスマトラ沖地震では、

海に打ち上げられた遺体の回収などに携わった作業員の心的外傷が問題となりました。



東日本大震災でも救援者、

特に遺体の回収や身元確認、原発事故対応などの業務に当たっている自衛隊員や警察官、消防隊員、自治体関係者

などへの精神的ケアが求められます。



一方、被災地にはない一般企業でも、注意が必要な人たちがいます。

人事や総務の災害時担当者など、

3.11.の後に通常業務以上に忙しくなった人たち、

社員の訃報などの対応に追われた人たちです。


なるべく、2人以上でこのような業務にあたることが負担を軽減するといわれています。




一般社員の場合、PTSDではないものの、

テレビなどで被災地の映像を長時間視聴して、

腹痛や頭痛、不眠などを訴える人もいます。


中には、医療機関を受診する人も出ています。

こうした人たちには対症療法が必要なこともありますが、


まずは、テレビの視聴時間を最小限にとどめること

そして、従来の日常生活を取り戻すこと(趣味やお稽古の再開)、

規則正しい生活と睡眠

を指導しています。


以上、
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。

5大疾病、社員のうつ病(精神疾患)に関する取り組み方

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は、

【社員のうつ病(精神疾患)に関する取り組み方】

という内容のお話しをさせて頂きます。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



企業様からの問い合わせで、先週から、増えている以下話題をシェアさせて頂きます。


『厚生労働省は6日、「4大疾病」と位置付けて重点的に対策に取り組んできたがん、脳卒中、心臓病、糖尿病に、新たに精神疾患を加えて「5大疾病」とする方針を決めました。』

『これをふまえて今後の、社員のうつ病に関する取り組み方など、何か注意をすべき点があればご教示ください。』



話しだせば永遠と話せてしまいますが、

以下3点をあげさせて頂きます。


1.
法令やガイドラインでは、社員の精神疾患への

「予防」→「ケア」→「復職」

が企業に求められています。

 
あなたの会社は、

休職者の復職へのプロセスはルーチン部分が増えて、

人事部の負担少ない形になってきていますか?


予防とケアについては、

どの会社も改善の余地が常にあります。

毎年、何か新しいことを考えましょう。

 

2.
職場の精神疾患に対して、

「4つのケア」

で臨むことが求められています。


4つとは、

セルフケア、
ラインケア、
社内スタッフ(人事・保健師や産業医)によるケア、
社外資源によるケア(医療機関、リワークセンター等)

です。

 
個人的見解ですが、一番大切なのは、

ラインケアです。



3.
過重労働と四(五)大疾病の関係


残業時間が月に100時間、または、2-6カ月平均で80時間以上は、

心臓・脳疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の発生と

強い関係がある。

と、認識されています。

(45時間以上でも、関係があるとの認識です。)


ひきつづき、過重労働には気をつけましょう。


以上、
あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



●上記問題への対処等コンサルティングをお引き受けしております。

受けられた企業様からは、

「とても実践的だった。」

「すぐに使える気がする。」

「リスクの考え方がかわった。扱いやすくなった。」

などの声を頂いております。


あなたの会社でも、いかがでしょうか?

産業医からみた、部下とのやり取りのコツ

いつもありがとうございます。

今回は、

【産業医からみた、部下とのやり取りのコツ】

に関するお話しをさせて頂きます。

あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



あなたが上司で、

部下に話しかける時、

どのような状況で行うのがベストか、

考えたことはありますか?



今日は、産業医の立場からみた、

いい接し方の

【コツ】をお伝えさせて頂きます。
“産業医からみた、部下とのやり取りのコツ” の続きを読む

鬱で社員自殺、マツダ6400万円賠償命令

会社も個人も、こうならないようにしっかり対策していきましょう!

産経新聞
 2月28日(月)11時48分配信

大手自動車メーカー「マツダ」(本社・広島県府中町)の元社員だった兵庫県出身の男性=当時(25)=が自殺したのは、同社が過労に対する配慮を怠ったためとして両親が同社に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁姫路支部であった。

中村隆次裁判長は「質的、量的に過剰な労働で、自殺は業務に起因する。一方で上司の適切なサポートもなく、同社は安全配慮義務を怠った」として過労自殺と認め、約6400万円の支払いを命じた。

判決などによると、男性は入社3年目だった平成18年、それまでベテラン社員が担当していた部門に配置換えとなり、時間外労働が増え、自殺する1、2カ月前は月80時間超の時間外労働があったほか、取引先とのトラブルが起こり、自宅でも業務を余儀なくされるなどした。男性は鬱病を発症、19年4月、社宅の自室で首つり自殺した。

広島中央労働基準監督署は、21年1月に労災と認定しているが、裁判でマツダ側は「過重労働はなく、上司もサポートしていた」などとして争っていた。

判決後に会見した男性の父親(63)は「勝訴の判決を受けても息子は帰ってこない。マツダは判決を真摯(しんし)に受け止めて謝罪し、二度と不幸な社員や家族をつくらないようにしてほしい」と述べた。

マツダは「改めてご遺族に対し、哀悼の意を表します。判決理由の詳細は分かりませんが、当社の主張が一部しか認められなかったことは残念です」とのコメントを出した。

うつ発症の具体例 。あなたならどうしますか?

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は

【うつ発症の具体例とその対応】

という内容に関するお話しをさせて頂きます。


先月の記事で、

【 メンタルヘルスを崩した社員への休職の奨め方】

について、書かせて頂きました。


今回は、その内容の具体的事例と対応についてです。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。




今回ご登場いただくのは、

20代後半の男性会社員です。

いままで、まじめに仕事に取り組んできていました。

半年ほど前から仕事全般を億劫に感じ、仕事の能率低下が目立っています。

本人もそのことを自覚し、気にしているようで、話を聞いてみると、

「集中力が低下してしまっているのか、業務上のミスが非常に多く、上司から指摘、注意されることが増えてきていたのですが、先日重大なミスをおかしてしまい、今後に関わる厳重注意を受けてしまいました。そんなこともありここ最近は出社することにすら恐れを抱いてしまい、遅刻や早退をすることも出てきています。
仕事の能率を再び取り戻すにはどうしたらよいのでしょうか。」

といわれました。


さあ、あなた(上司または人事と仮定)は、どうしたらいいでしょうか。

何と声をかけてあげますか?





ご自分で考えてから続きをお読みください。

“うつ発症の具体例 。あなたならどうしますか?” の続きを読む

認知行動療法とは?

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は


【認知行動療法とは?】


という内容に関するお話しをさせて頂きます。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



私のHPにメンタルヘルスを患っている方からのお問い合わせによくあるのが、

休職している間に、お医者さんの通院以外で何かおすすめできることはありませんか?
二度と同じことを繰り返したくないので、何かできることはないでしょうか?
カウンセリングって、実際なにをするのでしょうか?
カウンセリングと認知行動療法ってなんですか?

というものです。


drtakegami.com的に、独断と偏見でお答えさせて頂きます。
“認知行動療法とは?” の続きを読む

復職支援者へのカウンセリングは?

いつもありがとうございます。

産業医の武神です。


今回は


【復職支援のカウンセリングはある?】


という内容に関するお話しをさせて頂きます。


あなたの会社の労働安全衛生管理・産業医活動のヒントになれば幸いです。



お問い合わせによくあるのが、

うつ病で休職していた社員が、このたび復帰することになりました。
1年ほど休職していたため、復職については本人も期待と不安があるようです。
受け入れ側としても、どのように接したらよいか知りたいのですが、
復職を支援する際に受けられる、カウンセリングのようなものはあるのでしょうか。

というものです。


drtakegami.com的に、独断と偏見でお答えさせて頂きます。

“復職支援者へのカウンセリングは?” の続きを読む