メンタル休職を繰り返す人たちの特徴について

いつもこのブログをお読みいただき
どうもありがとうございます。
産業医の武神です。

今日は、
【メンタル休職を繰り返す人たちの特徴について】
について、お話します。




今日は休職を繰り返す人、
再休職常習者に見られる傾向
についてお話します。

わたしの産業医としての経験の中で、
新しい問い合わせがある場合に、よく
【休職常習者への対応に困っている】
という話があります。

そこで休職を繰り返している方と
面談をする中で
見えてきたことがありましたので、
皆さんにお伝えしたいと思います。


人間は
すべてのものが見えているわけではなく、
多くの人は
【見たいものしか見えていない】
といいます。

休職常習者は、
この傾向が非常に強いです。

————————————-
見えていない部分を
「盲点」「スコトーマ」といいます。
————————————-

この
見たいものしか見えていないというのは、
ジュリアス・シーザー(カエサル)の例もある通り、
2000年以上前から言われていることなのです。

この
「見たいものしか見えていない」というものには、
大きく分けて二つのパターンがあります。

————————————-
まずひとつは自分に関してです。
自分の考えていることに関して、
見えているものが全てなのだというものです。
————————————-

そのため、
必死になりすぎてしまう。
今度復職して、がんばらなければいけない。
がんばれなかったら、首になってしまう、
首になってしまったら、一家離散、
この世の終わりだ、と。

再休職になる=首になると思うのです。
こういった固定観念を持っている方が多いです。

この方達の話をよくよく聞いてみると、
この方たちの思考回路、すなわち、見ている現実というのは
働かなかったら・首になったら、家においておいてもらえない。
働けない亭主なんてお荷物だから離婚になり、
家から追い出される。
追い出されたら住むところも無く、ホームレスになるしかない。
家族も父親がいなくなったら、終わりだ。
崩壊だ。
こういった、極端な視野の狭さがあるのです。


————————————-
もうひとつのパターンは、
周りに対する、見たいことしか見ていない
タイプです。
————————————-

一番ありがちな例は、
わたしは悪くない
わたしは被害者であるというものです。

同僚の△さん・上司の○さんのせいでわたしはこうなった、
という思考回路です。

こういう方は、同じ職場に戻ると
本人のマインドセットが変わっていませんので、
同じことを繰り返す傾向が非常に強いです。

もしくは、本人の防御を高くして戻っても
時間の問題で、休職を繰り返してしまうことになります。

実際には
わたしは悪くない誰々が悪いと言っても、
会社がそのように認識しているのか
事実としてはどうなのか?
というのはわからないわけです。

このあたりを
一歩下がって客観的に見ることができない
というのが、この方たちの特徴なのです。


実際に産業医や臨床心理士・カウンセラーなどは
こういった方々に対処しなければならないのですが、
してはならない・うまくいかない方法をとっている方が多いです。

それは、正面から
「いえ、そうではなく、こういうパターンもあるじゃないですか」
などと、正面衝突するようなやり方です。

これは言われた本人からすると
「この先生はわたしのことをわかってくれない」と、
クレームになります。

不愉快なことは見えておらず、
見えていないことを言おうとする人というのは
不愉快以外の何者でもないわけです。

そのあたりを踏まえて、
ゆっくり付き合い寄り添って、
少しずつ頭をやわらかくしたり、
違う現実があることを教えてあげたり
することが重要です。

————————————-
これができるかどうかが、
良い産業医・カウンセラーのとても大切な部分だと思います。
————————————-

見たいものしか見ず、視野が狭くなっている方々に
違うビジョンを見せられれば
目の前がぱーっと晴れ視野が変わるはずなのですが、

————————————-
何か原因・トリガーがあって、
新しい世界を見たがらないというのが、
再休職の常連者たちの
特徴なのではないかと思います。
————————————-

そのトリガーをあなたは
意識して、面談していますか?

以上、あなたの心と体の健康管理と自己成長と、あなたの会社の安全衛生管理にも、ご活用いただけると幸いです。
コメント、ご質問等、お待ちしております。bit.ly/jw17lT
全てしっかり、読ませていただいております。ご質問には、真剣にお答えさせていただきます。

産業医武神より、厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針2014について

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産業医の武神です。

今日は、
【厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針2014について】
について、お話します。
(最後にぜひ人事担当者、衛生管理者にはご視聴頂きたい動画の案内があります)


前回の睡眠ガイドラインは
平成15年3月に「健康づくりのための睡眠指針〜快適な睡眠のための7箇条〜」
という形で発表されていました。

その後10年が経過し、
睡眠に対する科学的知見も蓄積され
2013年から2022年までの
健康日本21(第二次)(二十一世紀における第二次国民健康づくり運動)
も始まったことから、今回の発表となったのだと思います。


以前の睡眠ガイドラインは、
【いい睡眠のコツ】
を主に説明していました。

今回のものは
【睡眠の大切さに主眼】
をおいている感じがします。

個人的には、今回のもののほうが好きですね。

以下のように、頭の中でフレーム作ると
とらえやすいです。
衛生委員会でご活用ください。

1条は総論
2〜5条は基本的な知見
6〜10条は予防や保健指導
11、12条は睡眠異常の早期発見

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厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」
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1条 良い睡眠で、からだもこころも健康に
2条 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
3条 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります
4条 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
5条 年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を
6条 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
7条 若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ
8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
9条 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
10条 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
11条 いつもと違う睡眠には、要注意
12条 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を
*****************************************
companydoctor.jp/?attachment_id=1404
*****************************************

視聴者からのQ&A:人事担当者がうつになったとき

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産業医の武神です。

メルマガ読者、YouTube動画視聴者の人事の方から、
5年ぶりの異動をきっかけに体調不良となり、肉体的異常はなく、まさか自分が・・との状態
と緊急メールを頂きました。

一般社員よりもメンタルヘルスの知識があったから、早く気づくことができたのだと思います。この早い気づきを無駄にしないためにも、ぜひ、動画の中でできる”行動”を実際に実行していただきたいと思います。

 

以上、あなたの心と体の健康管理と自己成長と、あなたの会社の安全衛生管理にも、ご活用いただけると幸いです。
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ストレス対策セミナーで伝えていること

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産業医の武神です。

今日は、
【ストレス対策セミナーで伝えていること】
について、お話します。


頼まれるセミナーで多い内容リクエストが、
【ストレス】
に関することです。

今日は、ストレスに関して、
学校どころか、普通のセミナー講師や産業医では
教えてくれない、彼/彼女たちも知らない
ストレス対策の内容を少しお話ししたいと思います。

厚生労働省、および、おおくの一般的セミナー講師や産業医は、

【ストレスとは】
ストレス要因、ストレス反応、ストレス耐性
から理解できます。

として、説明しています。

このメルマガではいちいちその内容を説明しませんが、
内容的には、間違いではありませんね。

しかし、これでは
だから何?
肝心のストレス対策はどうしたらいいの?
ということに、具体的につながらないのです。

一方、
産業医の武神流にストレスを説明すると、

【ストレス=強度(インパクト)×継続時間】
です。

ストレスの強度とは、
どれくらい予測しなかったことかとか
どれくらい、ビッグイベントが起こったとか
個人にとってのビッグイベントなのか、
誰にとってもビッグイベントなのか、
などをさします。

継続時間とは、
そのストレスが、どれくらいの期間続いてきたのか
これからどれくらい続くのか、
その予想はできているのか、
ストレスのある時間は、途切れないで続くのか、リフレッシュ時間があるのか
などをさします。


すると、それぞれに対して、
対策がたてやすくなります。

全てを想定内にしてしまう技術
ストレス”時間”をコントロールする方法
などなど、

この動画で説明しています。
ぜひ、ご視聴ください。


youtu.be/Z1zNlVMG7hg

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あなたの会社の新人さんに、これだけは伝えたい

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産業医の武神です。

今日は、
【あなたの会社の新人さんに、これだけは伝えたい】
という内容を、お話します。


来週から新年度に入りますね。

多くの会社で”新社会人”が
入社してきます。


この時期は、クライエント企業での新人研修の一環として
産業医から話をしてほしいと頼まれることがよくあります。
クライエント企業でなくても、
単発のセミナー依頼で忙しくなる時期です。

今日は、そんなときに私がする話の一部を
ご紹介させていただきます。


言い方は色々ありますが、
【今までは、他人と比べての自分】
による自己評価を主体にやってきた人も、

【これからは、自分と比べての自分】
でやっていきいましょう。
という内容を言います。
img3 最近の若い人たちは、成長過程で
偏差値、受験、結果主義的な要素の中で
ほめられ、おだてられ、
育ってきています。

その結果、
大きな壁にぶつかったときに、
すぐに周りを見渡し、
周りが対応できていると、それを真似するのではなく、
自分は出来ない、という評価をしてしまいがちです。

その”大きな壁”ですら、
本当は、大きな壁とは呼べないものであることも多い
ことも皮肉です。

また、周囲がそんな自分を助けてくれないと、
指導してくれないと、
どんどん、【落ちて】いってしまいがちです。


はっきりいって、
他人がどうのとか
他人はどうのとか
関係ないはずですよね。

今の自分がどうか
過去の自分よりも頑張っているか
過去の自分よりも前進しているか
ここのフォーカスする必要があります。

そして、高い自己効力感(self efficacy)をもって、
【自分は出来る】
という、揺るがない信念をもって
対処して欲しいと思います。


今までクラスの中で、
トップ10%だった人も、
その会社に入った時点で、
90%の人は、トップ10%から脱落しています。

今まで平均上だった人も、
新しい集団では、
すでに、半分の人は、
平均以下に落ちています。

つまり、
他人と比較することは
しょうもないことなんですね。


それをpositiveなエネルギーに変えられるのならば
いいじゃないの。
って言う人もいますが、
そんなことありません。

所詮、その比較した他人を越した時点で
満足して現状維持になってしまいますので。



【自分を人と比較しない】

このことをぜひ、
あなたの会社の新人にも、
お伝えいただければと思います。


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メンタルヘルス検診(ストレスチェックテスト)は、努力義務に後退!?

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産業医の武神です。

今日は、
【メンタルヘルス検診(ストレスチェックテスト)は、努力義務に後退!?】
について、お話します。



先月からお伝えしています
メンタルヘルス検診、通称ストレスチェックテストですが、
ここにきて、大きな変化がありました。


もともとの厚労省の労働安全衛生法改正案では、
検査結果は本人だけに知らされ、
産業医の指導も受けられる。
本人が希望しなければ、企業には結果は伝わらない仕組み
でした。

しかし、これが、

従業員50人以上の事業場については、
【義務】
でかわりませんが、

従業員49人以下の事業場については、
【努力義務】
に後退してしまっています。


その理由は、
「検査結果が悪用されるおそれがある」
「結果がきちんと管理される保証がない。」
「企業に知られると労働者の不利益が大きい」
という反対意見が出たため、
とのことです。

そこで、データ管理がしっかりできるだろう
産業医がいる従業員50人以上の事業場だけに義務づけ、
他は、希望者が検査を受けるように改める
修正案ができたらしいです。


正直、残念ですね。


中小企業でのメンタルヘルス対策がすすんでいない現状に対して、
メンタルヘルス健診(ストレスチェック)を導入し
、改善をすすめよう!

という意味合いではじまったはずですが、
中折れですね。

がっかりです。

結局、すでに何らかの対応をしている
(比較的大きな・産業医のいる)
企業においては、大きな変化なし。
中小企業は義務ではないからやらないままとなりそうですね。


簡単(シンプル)に使えて、
しかも、無料の
企業に悪用されない第3機関のデータシステムを
用意すればいいだけなのに…


現在、別の法人を設立し、
そのようなシステムを構築しようとしています。
出来あがったら、メルマガ読者様には、最初にご案内させて頂きます。


新たに作る法人(社団法人)の設立に、ご参加いただける方、いらっしゃれば、ぜひ、ご連絡ください。


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大腸内視鏡医としての動画をupしました。
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大腸内視鏡検査の名医の選び方 (産業医 武神の動画 067)

以下の内容をお話ししています。
 ・目的を明確にし、目的にあった施設を選択
   検診目的・便潜血陽性・ポリペクの既往等々
 ・当日ポリペク? 後日ポリペク?
 ・大腸内視鏡担当医の顔は見えているか? 
   HP、外来担当?、何年いる?

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無痛で早い大腸内視鏡検査の記録ブログcolonoscopy.jp/
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ストレスチェック検診でできる最大の社員還元サービスとは?

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産業医の武神です。

今日は、
【ストレスチェック検診でできる最大のサービスとは?】
について、お話します。


先月メルマガで取り上げた
【ストレスチェック検診】
についてですが、
お問い合わせをたくさん頂いております。


最も多いご質問は、
「最低限何をしないといけないの?そのコストは?」
「最大やるとするとどうすればいいの?そのコストは?」
という内容です。

今回は、
「最大やるとするとどうすればいいの?そのコストは?」
に、早速お答えします。


【最大限のサービスは?】
いくつか思いつくままに書いてみます。

1.社員全員が、産業医等と年1回面談する。

厚生省は、ストレスチェックの方法として、
特定の方法に限定はしていません。
会社ごとの従来のやり方でもOKとのことです。

お金、時間ともに余裕があれば、
最もお金のかかる対策だと思います。

実際にこうしている会社も知っています。
最も効果的かは知りませんが…


2.ストレスチェック検診を産業医主導のもとで行う。

つまり、全員のストレスチェック検診結果を産業医が
見ることのできるようにすること。
そして、産業医が気になる人は、(当人の挙手を待たず)
産業医面談を行う方法です。

この手の面談は、
会社の事を知らない、
患者の言うとおりに診断書を書きかねない
町の精神科医よりも、
産業医の方がいいに決まっています。

また、うつ病の人や高ストレス該当者の挙手を待つのではなく、
高ストレス該当者全員を面談してしまう
という判断は、産業医でないとできないでしょう。

もちろん、会社の衛生管理者の方の協力はそれなりに必要です。
手間ひまはかかります。


3.面談実施後に勧告書(診断書)がきた社員の面談を、会社指定の医師(産業医、精神科医等)にもしてもらう

何気に、会社がもっておくべきバックアップ手段です。
社員の言いなりの診断書、
本当に勧告書に従う価値があるのか、
などの疑問があるとき、

会社の指定する医師に再度面談を依頼する
ことは、すでに幾つかの会社では導入されており、
ズル休み的なものに対する抑止力に-効果的です。

費用については、事前に誰が負担するのかを取り決めておく必要があります。

[補足]
びびる必要はありません。
最初のストレスチェック検診で、
リスク群・高ストレス該当群になる人は、

約10%といわれています。

その中からの面談希望者ですから、
実際の面談(上述の2の過程)になる人は、
100人の企業で数人いるかいないかレベルでしょう。

それなのに、不安をあおってくる業者がたくさんいます。
ご注意下さい。




あなたの会社は、どのようなサポートがあるといいですか?
いくらくらいのコストをかけられますか?
ぜひ、教えて下さい。
bit.ly/jw17lT


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メンタルヘルス検診のストレスチェックについて

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産業医の武神です。

今日は、
【メンタルヘルス検診のストレスチェック】
について、お話します。


メンタルヘルス検診のストレスチェック!
とうとう、来年度にも本格導入される見通しです!
あなたの会社も対策の導入を!

と、不安を煽られる前に、
正しい知識を整理しましょう。


厚生労働省は、2014年1月23日に、
労働政策審議会建議「今後の安全衛生対策について」
を公表しました。
平たく言うと、今後の安全衛生対策について
厚生労働省での2013年後半に行われた
8回の会議の検討の結果のアナウンスです。

まだ、法案が通ったわけではありませんし、
来年度からの導入が決まったわけではありません。


【要点:メンタルヘルス対策の充実・強化】
・労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師・保健師による検査の実施を事業者に義務付ける。
・事業者は、検査結果を通知された労働者の申出に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置を講じなければならない。


【背景】
H22年12月に労働安全衛生法の一部改正として第179回臨時国会に提出されたが、継続審議となり、第181回臨時国会において衆議院の解散により廃案となったものです。

その中で、メンタルヘルス検診(メンタルヘルスチェックの義務化)について、ここではお話しします。


職場でメンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合は、
H23年の43.6%からH24年には47.2%と増えています。

しかし、従業員数が50人以下の小規模事業場においては、
依然として取り組みが遅れているなど、
総合的なメンタルヘルス対策の必要性は引き続き高く、
特に小規模事業場における対策の促進が必要であると考えられています。


今回計画されているストレスチェック検診は、
メンタルヘルス不調=精神疾患の判定
(精神疾患にかかっているか否かの判断)
のためではなく、
一次予防のために利用されるべき
という強い意見があります。


しかし、
そのための科学的根拠は不十分なのです。

ストレスチェック検診をはじめたために、
すでに行っていたメンタルヘルス対策が後退
してしまうことを懸念声が多くあります。
もっと他に優先すべき課題はないのだろうか
という声も聞かれます。


【ストレスチェック検診の方向性】
労働者自身のストレスの状況についての気づきを促し、
ストレスの状況を早期に把握して、必要な措置を講じることにより、
メンタルヘルス不調を未然に防止する。

そのためには、
(事業者が)医師又は保健師によるストレスチェックを行い、
労働者全員が受診し、
労働者の申し出に応じて、医師による面接指導を実施、
必要な措置を講じる
ことが適当である。


なお、一般健康診断では、
健康診断結果は事業者に通知されますが、
このメンタルヘルス健診(ストレスチェック)では、
プライバシー保護の観点より、検査結果は
医師または保健師から労働者に直接通知され、
労働者の同意を得ずに検査結果を
事業者に提供することはできません。

一方、ストレスチェックで得られたデータを、
個人が特定されない形で分析・評価し、
該当職場ごとのストレス状況を把握し改善に生かす
方法もありとのことです。
そして、そのための、情報提供に
労働者の同意は不要ということです。


面接指導は、
50人以上の事業場では産業医が
関与することが望ましい。

産業医選任義務のない49人以下の事業場では、
地域産業保健事業所など
を国が支援を行うべきである。
となっています。


【9つの質問】
厚生労働省の示した9つの質問は以下リンクにあります。
www.bringup-management.com/simulation.html

この9項目の設問により、自身のストレス状態について簡易に検査できますが、専門家からは以下の課題点が指摘されています。

・高ストレスと判定された方の中で実際にはメンタル不調ではない人が多く含まれ、対応が非効率となる可能性がある。

・個人のストレス症状・不調のみしか把握できず、職場環境の改善など一次予防(未然予防)につなげることは困難である。

・科学的根拠に乏しい。


それをふまえて、
厚生労働省が示した9つの質問内容は標準的な内容であり、
各事業場で独自のチェック項目を作成しても構わない
という見解が示されています。

要するに、
質問の形式は問わない、
ということです。
(すべてにおいて科学的根拠に乏しいのですから)


【ここに群がる悪徳業者たちに注意】
このストレスチェック検診、
まだ未確定なことが多いですが、
いずれの実施は避けられなさそうですね。

そこで、これに関連して、お金を
儲けようとする業者さんたちがたくさんいます。

次号、その業者の口説きのパターンと
今、あなたが、
本当にやらなければならないこと
について、お話しします。

youtu.be/jPmqIlaITPE

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睡眠薬を飲む/やめる本当のタイミングと方法

いつもこのメールをお読みいただき、どうもありがとうございます。
産業医の武神です。

今日は、
【睡眠薬を飲む/やめる本当のタイミングと方法】
という話をさせていただきます。


日本睡眠日本人成人の30%以上が
睡眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難など
いずれかの不眠症状を有し、

6〜10%が不眠症もつと言われています。

そして現在、睡眠薬は
日本の成人の20%に1人が服用している汎用薬
となっています。

一方で日本人は諸外国と比べ、
睡眠薬への不安が強い
ことが明らかになっています。

一般市民の約44%が
「依存性がありやめられなくなる」
との印象を持っています。

こうした不安から自己判断で薬をやめ、
不眠症を慢性化させてしまう例も後を絶ちません。

不眠症は慢性化すると
治療が難しくなりますので、
睡眠薬について正しい知識をもつことが大切です。

実際の睡眠薬の処方・服用は、
どのようなポイントから始めるべきでしょうか。
また、薬をやめる(減らす)のは、
どのタイミングで、どのようにやるべきでしょうか。

この動画で解説しています。

【年収3000万円稼ぐ人は知っている、睡眠薬を飲む/やめる本当のタイミングと方法】
(産業医 武神の動画 035)


youtu.be/nMn7tYlOZCQ

ーーー特別に動画のポイントをテキストで引用しますーーー
では、睡眠薬を使わなくてはいけないタイミングというのはどういう時でしょうか。これは眠れないから使うのではないんですね。日中の眠気がとれない、そういう状態が続くのであれば、そういう時はやっぱり睡眠薬を使った方が良いと思います。
 その時は良いお医者さんを見つけて、寝付きが悪いのか、夜中に目が覚めちゃうのか、眠りが浅いのか、そういうことをちゃんと相談して、症状に合った薬を処方してもらうのが良いと思います。

睡眠薬をやめるタイミングもやはり、眠れるようになってからではないんですね。睡眠薬をやめるタイミングというのは、日中の体調が良くなったら、やめる方向に動き出すということです。いきなりゼロにするのではありません。日中の体調が良いと感じ、日中の眠気がとれてきたら、テーパリングといって少しずつ減らす方向に動き出します。
 減らし方は、半分ずつ減らす人が多いですし、いきなり減らす人もいますが、そうではなくて4分の1ずつ減らす、期間も1、2週間かけて様子を見ながら少しずつ減らすのが良いと言われています。

睡眠薬というのは眠れないから飲む、眠れなくなったら飲むのではなく、日中、眠気がとれない状態になってきたら飲む。そして日中うまく回り出したら、やめ始める。この辺りが、睡眠薬の上手な使い方だと思います。
 最終的には信頼できるお医者さんを見つけて、あなたの主治医と相談してみて下さい。
ーーー特別に動画のポイントをテキストしましたーーー


以上、あなたの心と体の健康管理と自己成長と、あなたの会社の安全衛生管理にも、ご活用いただけると幸いです。
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年収3000万稼ぐ人のメンタルヘルス対策【不安への対処方法】

いつもこのブログをお読み頂き、どうもありがとうございます。

今日は「不安に対処する・不安を克服するには?」というお話をしたいと思います。

 産業医の面談に来る方の中で「不安なんです・いろいろな不安があるんです」という相談をよく受けます。そのような時、まずはお話を伺うのですが、わたしがどういう考えを持って接しているのか?というのを、どういったアドバイスをするのか?を交えてお話したいと思います。

 まず皆さんにご理解いただきたいのは「不安」というのは人間ならではの高等で高度な感情だ、ということです。例えばサルやライオンには「不安」という感情は無いと思います。本能はありますが、不安はありません。なぜならば、不安というのは「未来に対する恐怖心」だからです。  例えば、明日ごはんが食べられなくなるのではないか・明日ローンが払えなくなるのではないか。こういった「先のことを考える」ことは、人間特有の考えなのです。サルはバナナを持っているときに「明日はバナナが食べられないかもしれない」とは考えません。ライオンは「明日はうさぎを捕まえられないかもしれない」などとは思いません。食べ物を隠すなど、本能的にそう思っているのではないかという行動をすることはありますが、考えて不安になるということは無いのです。  「不安」というのは、未来に対する恐怖心であり「不安に思っていることは、実際にはまだ起こっていないことである」というのを認識してください。

 では不安があったらどうすればいいのか?  一番のお勧めは一人で抱え込まないで人に話すということです。  人に話すだけで、不安の半分は解決します。なぜかというと、話すという行為の中で不安を外に出しているからです。誰かに話す時はそれなりに整理してみなさんお話しますから、それである程度すっきりして解決できるのです。恐怖というのは私たちの脳の中では、比較的中央の方にある扁桃体という部分で感じていると言われています。いわゆる、は虫類脳、原始的な感覚の脳機能を司る部分です。これにたいして、人間で発達している脳の外側の部分、大脳皮質をたくさん働かせてやれば、原始的な脳の誤った考えを修正できるのです。大脳皮質を働かせるために、「頭を使う」ことが大切です。他人に話すという行動は、話を未意識レベルでも整理しているので、このプロセスをふんでいるのです。  プロの産業医やカウンセラーであれば、話しにくいことであってもしっかりと吐き出せるようにうまく聞き出してくれます。必要な方は話をしに行ったら良いと思います。これで不安の半分は解消できます。  反対に言えば、不安だといっている人の聞く人はアドバイスなどはせずにしっかり聞いてあげればいいということです。相手にしゃべらせればしゃべらせるほど、相手の大脳皮質が、扁桃体に働きかけてくれていますから、治療効果はあるのです。

 残り半分の解消できないことについてはどうすればよいか。  まず、紙に書いてください。話すときと違って綺麗に書く必要はありません。箇条書きでも汚いメモでもなんでも良いです。ノートの左側のページに日付と不安に思った事柄をどんどん書いていき、右側のページはそのままにしておきます。書いたらちょっと眺めてみてください。落ち着いて「不安」の内容を眺めてみると、中には「これをやっておけば良いのでは?」と思う内容があるものです。行動で解決できることは行動するのが一番です。

 また、大きい不安を書いてあっても内容が漠然としている場合、それを漠然としたままにせず細分化・クラックダウンしてみてください。例えば「仕事で期日までにこのプロジェクト終わるかどうか不安」と書いてあるとします。実はそれは部長に怒られるかもしれないから不安、というものであったり、自分の能力が誰々に低く評価されるかもしれないから不安、であったりするのです。もしかすると、プロジェクトがおわらないことがただただ不安だけれども、プロジェクト内容を細分化してみると、9割はおわっているなんてこともあります。  細分化できたら(先回りして)対処できるかもしれません。書くだけで終わらせず、書いたものを見て対処できるものは対処する。細分化できるものは細分化する、そしてまた、対処可能なものは対処するというのが大切です。  不安というのは漠然としているからこそ不安なのです。不安を明確に文章化できれば、残りのうちのさらに半分は解消しますので、是非やってみてください。

 ちなみに「部長に怒られるかどうか」については「胡麻を擂っておく」というのも一つの手ですが、相手の行動や反応は、ある意味自分ではどうしようもないことなので寝て忘れるしかありません。最悪の事態を想定し、それに備えることができれば、全ては想定内になります。

 さて、上記2つで、できることはやった。しかし、それでもどうしようもないことは不安として残ります。これをどうするか?  ひとまず放っておいて寝てください。そして、3週間ぐらい経ったところでもう一度ノートを見直してください。そうすると、あなたが考えていた不安の多くは「実現していない」ということがわかると思います。よく言葉で「不安というのは未来に対する恐怖だから、実際には起こらないから大丈夫」というような人もいます。それは事実なのですが、実際そうではあるのですが、人に言われただけの言葉というのは耳には入っても心までは届かないのです。

 書いてみて、細分化して、できることはやって、できないことだけ放っておいてください。  3週間後に、さて起こったかな?とノートを見てみると「あぁ起こっていないじゃないか」ということが実感できるのです。「起こっていない」と確認できたら、書いた不安をペンでぐしゃぐしゃっと消してしまってください。それを繰り返すことで、不安の多くは実現しないことだから、そんなにおびえたり不安に思ったりすることは無いのだということが腑に落ち、きちんと理解できるようになるのです。

 このワークで不安に対処できるようになった方というのは実際にたくさんいらっしゃいます。もしあなたがいま不安を抱えている、大切な人やご友人・ご家族が不安を持っているようだったら、ちょっとこのワーク、この動画を教えてあげていただけると大変嬉しいなと思います。

 今日は不安に対処する方法についてお話しました。不安というのは未来に対する漠然とした恐怖なので、人に話したり、書いたり、実際にそれが起こらないということを確認することによって、必ず対処できます。

 以上、あなたの心と身体の健康管理にお役立て頂ければ、たいへん嬉しく思います。