いつもこのブログをお読みいただき
どうもありがとうございます。
産業医の武神です。
今日は、
【メンタル休職を繰り返す人たちの特徴について】
について、お話します。
今日は休職を繰り返す人、
再休職常習者に見られる傾向
についてお話します。
わたしの産業医としての経験の中で、
新しい問い合わせがある場合に、よく
【休職常習者への対応に困っている】
という話があります。
そこで休職を繰り返している方と
面談をする中で
見えてきたことがありましたので、
皆さんにお伝えしたいと思います。
人間は
すべてのものが見えているわけではなく、
多くの人は
【見たいものしか見えていない】
といいます。
休職常習者は、
この傾向が非常に強いです。
————————————-
見えていない部分を
「盲点」「スコトーマ」といいます。
————————————-
この
見たいものしか見えていないというのは、
ジュリアス・シーザー(カエサル)の例もある通り、
2000年以上前から言われていることなのです。
この
「見たいものしか見えていない」というものには、
大きく分けて二つのパターンがあります。
————————————-
まずひとつは自分に関してです。
自分の考えていることに関して、
見えているものが全てなのだというものです。
————————————-
そのため、
必死になりすぎてしまう。
今度復職して、がんばらなければいけない。
がんばれなかったら、首になってしまう、
首になってしまったら、一家離散、
この世の終わりだ、と。
再休職になる=首になると思うのです。
こういった固定観念を持っている方が多いです。
この方達の話をよくよく聞いてみると、
この方たちの思考回路、すなわち、見ている現実というのは
働かなかったら・首になったら、家においておいてもらえない。
働けない亭主なんてお荷物だから離婚になり、
家から追い出される。
追い出されたら住むところも無く、ホームレスになるしかない。
家族も父親がいなくなったら、終わりだ。
崩壊だ。
こういった、極端な視野の狭さがあるのです。
————————————-
もうひとつのパターンは、
周りに対する、見たいことしか見ていない
タイプです。
————————————-
一番ありがちな例は、
わたしは悪くない
わたしは被害者であるというものです。
同僚の△さん・上司の○さんのせいでわたしはこうなった、
という思考回路です。
こういう方は、同じ職場に戻ると
本人のマインドセットが変わっていませんので、
同じことを繰り返す傾向が非常に強いです。
もしくは、本人の防御を高くして戻っても
時間の問題で、休職を繰り返してしまうことになります。
実際には
わたしは悪くない誰々が悪いと言っても、
会社がそのように認識しているのか
事実としてはどうなのか?
というのはわからないわけです。
このあたりを
一歩下がって客観的に見ることができない
というのが、この方たちの特徴なのです。
実際に産業医や臨床心理士・カウンセラーなどは
こういった方々に対処しなければならないのですが、
してはならない・うまくいかない方法をとっている方が多いです。
それは、正面から
「いえ、そうではなく、こういうパターンもあるじゃないですか」
などと、正面衝突するようなやり方です。
これは言われた本人からすると
「この先生はわたしのことをわかってくれない」と、
クレームになります。
不愉快なことは見えておらず、
見えていないことを言おうとする人というのは
不愉快以外の何者でもないわけです。
そのあたりを踏まえて、
ゆっくり付き合い寄り添って、
少しずつ頭をやわらかくしたり、
違う現実があることを教えてあげたり
することが重要です。
————————————-
これができるかどうかが、
良い産業医・カウンセラーのとても大切な部分だと思います。
————————————-
見たいものしか見ず、視野が狭くなっている方々に
違うビジョンを見せられれば
目の前がぱーっと晴れ視野が変わるはずなのですが、
————————————-
何か原因・トリガーがあって、
新しい世界を見たがらないというのが、
再休職の常連者たちの
特徴なのではないかと思います。
————————————-
そのトリガーをあなたは
意識して、面談していますか?
以上、あなたの心と体の健康管理と自己成長と、あなたの会社の安全衛生管理にも、ご活用いただけると幸いです。
コメント、ご質問等、お待ちしております。bit.ly/jw17lT
全てしっかり、読ませていただいております。ご質問には、真剣にお答えさせていただきます。