産業医と新型インフルエンザの第二段階(国内発生早期)

5月第3週末の間に、関西でも二次感染者が続出し、日本国内は、新型インフルエンザの第2段階に入りました。

第2段階とは、国内発生早期、ということです。

20090516 pandemic influenza japan phase

 

 

 

 

各会社ごとに、それぞれの新型インフルエンザ対策計画があると思います。

会社のポリシーにのっとったものであれば、基本的にはOKですが、1つ忘れられていそうなポイントをあげさせて頂きます。

事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン

によると、

 従業員本人だけでなく、同居する家族等の発症や従業員の感染者との接触についても把握することが望ましい。

 このインフルエンザは、若者の間で広がる性質が強い傾向にあるようです。

 従業員のご家族の通われる学校などで感染者が出た場合、会社としては、従業員にその旨を自己申告してもらったほうがいいのかもしれません。

 もちろん、その時の対策も考えておく必要があるのでしょう。


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産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務2

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

1.新型インフルエンザ(Influenza A H1N1)の情報の整理

2.新型インフルエンザに関して忘れられようとしている点

3.新型インフルエンザ、今、そして、これから何が問題か?

以上、を説明させて頂きます。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人へご連絡下さい。

産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.1

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

1.新型インフルエンザ(Influenza A H1N1)の情報の整理

潜伏期間、感染期間はともに7日程度と推定されているようです。

当初(GWの頃)の8-9日ほどの長さではないということがわかってきました。


通常の季節のインフルエンザと比べ、

 罹患率は、約23%と高めです。(通常のインフルエンザは5-15%)

 死亡率は、約0.4%です。(通常のインフルエンザは0.02-0.1%)

 通常のインフルエンザよりは高いですが、鳥インフルエンザより明らかに低く、このことが「たいしたことない」インフルエンザとの印象を世の中に与えてしまっているように感じます。

 (鳥インフルエンザ(H5N1 Avian Flu)は罹患率は低いが、死亡率は6割を超えて高いとされています。)

 新型インフルエンザにかかると重症化するリスク因子は、

 5歳以下、65歳以上、妊婦、慢性疾患や免疫異常疾患をもつ人、です。

 

 渡航規制や隔離期間に関しての変化

 WHOは、メキシコやアメリカなどへの渡航規制(restriction)を設けないと5/14に表明しました。

 日本国内における感染者・感染の疑いの者の隔離期間は、当初の10日より7-8日に短縮されました。(今後どうなるかは未定ですが・・・)

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産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.2

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

2.新型インフルエンザに関して忘れられようとしている点

・発症国とされているメキシコでの詳細は不明です。ウイルスの起源もわかっていません。

・このウイルスは Quadruple reassortnant virusで、ヒト、鳥、豚2種の4つのタイプの生物にかかりうるウイルスです。

このウイルスが、鳥インフルエンザのウイルスとくっついたり

タミフル耐性インフルエンザウイルス(実在します)とくっつくと、

危険度の高い、場合によっては殺人ウイルスとなる可能性があります。


・現在のH1N1 Influenza A(豚インフルエンザ)の状況が、歴史的に危惧されていた実際のpandemicなのか、それとも単なる序章なのか、それはまだわからないということ。

 数年前に香港で起こったSARSはpandemicとはなりませんでした。

 しかし、これはその後になって言えることで、当時はどうなるかは誰にもわかりませんでした。


秋(10月頃)の日本国内でのインフルエンザシーズンが始まるまでに、この新型インフルエンザワクチンの十分な製造が間に合わない可能性が十分あること。


過度な不安をあおることは不要ですが、まだ、気を抜くには早いような気がします。

会社としてのポリシーと考え、対策をたてておく重要性は変わりません。

豚で準備し、鳥に備える」という考えも大切です。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人へご連絡下さい。

産業医と新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)と企業の安全配慮義務 2.3

産業医.comから、5月第4週時点における企業の新型インフルエンザ対策のポイントです。

3.新型インフルエンザ、今、そして、これから何が問題か?Post peak periodに備えよ。

現在WHOの定義するPhase5に我々はいます。

Phase5の意味は、「世界的流行が起こりうる強い可能性がある」。(a strong signal that a pandemic is imminent)

Phase6は、「世界的流行が起こっているという定義です」。(a global pandemic is under way)

大切なのは、その先にも定義があるってことです。
H1N1 Influenza Where are we now May 2009

Post Peak とPost Pandemicという期間があります。



Post Pandemicは、そのインフルエンザがすでに普通のインフルエンザとして認識されるようになってからのことです。たとえば、1918年のスペイン風邪(Spanish Influenza)に関していえば、我々は現在、post pandemicですね。

Post Peak とは
「流行の波が過ぎ去ったようにみえるが、第二の波(流行)がくる可能性があり、それに備えよ」という時期です。
(Pandemic activity appears to be decreasing, however, it is uncertain if additional waves will occur and countries will need to be prepared for a second wave.)

現在、GWの頃ほどはマスコミでも取り上げられる回数も減り、喉もと過ぎた・・・印象をもたれている企業もあるかと思いますが、

秋(10月)頃の日本(北半球)でのインフルエンザシーズンに、再びこのウイルスの波がくるかもしれません。

そして、その時のウイルスの性格は、現在のものと同じという保障はありません。

企業、衛生委員会、新型インフルエンザ対策委員会では、引き続き注意が必要です。


しかしながら、このPost Peak期間は1-2年ともいられています。

その長い間、ずっとピークの緊張感で対処することは不可能かつストレスフルです。

そこで、ゆるいが効果がある、安いが効果がある、従業員にも長期間にわたり受け入れられやすい、対策を考える必要があると思います。

より詳しい説明、対策方法のご質問等は管理人産業医へご連絡下さい。

 

 

Preventing the Flu: Good Health Habits Can Help You Stay Healthy

The spread of this novel H1N1 Influenza is thought to be happening in the same way that seasonal flu spreads.

The below 6 healthy habits can protect everyone from getting germs or spreading germs at home, work, or school. 
 

1.Cover your mouth and nose.
 Humidify and protect mucosa of mouth and nose. Consider using masks. Gargle often.
 
 Cough Etiquette. Cover your mouth and nose with a tissue when coughing or sneezing. It may prevent those around you from getting sick. Throw the tissue in the trash after you use it.


2.Clean your hands.
 Washing your hands often will help protect you from germs.
 
 Wash your hands often with soap and water for 15 to 20 seconds, especially after you cough or sneeze.

 Alcohol-based hands cleaners and gels are also effective. Rub them into hands until they are dry.


3.Avoid touching your eyes, nose or mouth.
 Germs are often spread when a person touches something that is contaminated with germs and then touches his or her eyes, nose, or mouth.


4.Avoid close contact and stay home when you are sick.
 Influenza is thought to spread mainly person-to-person through coughing or sneezing of infected people. 

If you get sick, stay home from work or school and limit contact with others to protect them from getting sick too. Stay home for 7 days after your symptoms begin or until you have been symptom-free for 24 hours, whichever is longer.


5.Practice other good health habits. Keep your immune system strong.
 Get plenty of sleep, be physically active, manage your stress, drink plenty of fluids, and eat nutritious food.


6.Use the reliable mainstream media as your best source of information about what has happened, and the blogs as your best warning about what might happen.

新型インフルエンザの国内被害想定

厚生労働省 事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドラインによると、

新型インフルエンザが流行した際には、

全人口の約25%が発症し、医療機関を受診する患者数は最大で2,500万人になると想定されています。

入院患者は53万人~200万人、死亡者は17万人~64万人と推定されています。

そして、地域差や業態による差があるものの、
従業員本人や家族の発症等により、従業員の最大40%程度が欠勤することも想定されています

H1N1 Influenza 日本国内分類と被害想定

産業医と豚インフルエンザ H1N1Fluと安全配慮義務 厚生労働省からのガイドライン

 厚生労働省からの 事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン をリンクさせて頂きますので、御活用いただければ幸です。

(重要箇所下にコピペさせていただいております。ご参照下さい。)
あなたの会社のお役に立てていただければ幸いです。
 

  • 新型インフルエンザ発生時には、経営者をトップとした危機管理組織を設置し、事業所の感染予防、事業継続に関する意思決定体制を構築する。
  • 事業継続計画の立案に当たっては、経営責任者が率先し、危機管理・労務・人事・財務・広報などの責任者を交えて行うことが必要である。また、就業規則や労働安全衛生にも関わることから、産業医等をメンバーに加えることが望まれる
  • 事業者は、従業員に対して安全配慮義務を担う。
  • 従業員への情報提供体制の整備、普及啓発を行う。
  • 正確な情報を収集するとともに、従業員や取引先、地域住民等に対して情報提供に努める。
  • 産業医や産業看護職がいる場合は適宜助言を受ける。
  • 発生国への海外出張については、やむを得ない場合を除き、中止する。帰国しても大10日間停留される可能性がある発生国以外の海外出張も原則中止することが望ましい
  • 感染拡大の初期段階(国内発生早期)では、同じ職場で感染者が発見 された場合、濃厚接触者が自宅待機(最大10日間)するケースが想定される。
  • 濃厚接触者=同居者、個人防護具なしに診療・搬送に直接携わった者、個人防護具なしの汚染物質への接触者直接対面接触者(手で触れる・会話可能な距離で、Ptと対面で会話や挨拶等の接触あった者、接触時間は問わない、職場の近距離接触者も該当する。)
  • 職場での感染防止策を徹底し、職場で感染した可能性がある者が発見された場合に対処する作業班を決める。作業班のメンバー用に必要な個人個人防護具を用意する。
  • 事業所で従業員が発症した場合の対処
  • 発症の疑いのある者を会議室等に移動させ、他者との接触を防ぐ。発症者が自力で会議室に向かうことができない場合は、個人防護具を装着した作業班が発症者にマスクを着けさせた上で援助する。
  • 事業者は、保健所等に設置される予定の発熱相談センターに連絡し、発症した日付と現在の症状を伝え、今後の治療方針(搬送先や搬送方法)について指示を受ける。地域の感染拡大の状況により、入院の勧告から自宅療養まで治療方針は刻々と 変化するので、発症者を確認するたびに指示を受けることが望ましい。
  • 従業員本人だけでなく、同居する家族等の発症や従業員の感染者との接触についても把握することが望ましい。

注意!
なお、現時点においては、これはあくまでガイドラインです。
 
個人防護具とは、帽子、ゴーグル、マスク、手袋、防護服、靴などをさすと思いますが、どこまでをさすのかは不明です。検疫所や医療施設レベルまでは求められないと思いますので、マスクと手袋必須、加えるとすればゴーグル(フェイスマスク)でしょうか。

また、作業班の決め方、労災?、どこまで強制力のあるものなのかなどなど、未解決な内容があると感じます。
 
あくまで参考として、貴社のcompany policyにあった対策を御検討お願いします。

産業医的に気になるところは、以下2点です。
 
事業者は、従業員に対して安全配慮義務を担う。
 ・ 産業医や産業看護職がいる場合は適宜助言を受ける。
 
企業での勉強会、講習会ご希望の方はお問い合わせ下さい。

対応可能な産業医を探している企業の方は管理人へお問い合わせ下さい。

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Facts About H1N1 Influenza (Pandemic Influenza)

Facts About H1N1 Swine Flu

The true picture in Mexico is unclear.
  Mortality rate is unknown.
  Is it just a new type of a normal flu or a significant killer flu?

It is a “quadruple reassortant” virus which is capable of getting into cells of three types/categories of animals (humans, Asian/European pigs, birds).
  Virus will be fearsome with;
    Antigenic drift and antigenic shift (change of antigen)
    Recombination with H5N1 Avian Flu
    Recombination with Tamiflu resistant H1N1 A influenza  

H1N1 Flu may circulate for months to years and eventually emerge as the next pandemic strain. (It may already be the next pandemic strain beginning to emerge.)
 

Basic information about H1N1 flu is uncertain.
Incubation period
  CDC:  range from 1-7 days, more likely 1-4 days.
  WHO: may be 6, 7 or 8 days.

Infectious period
  1 day prior to the case’s illness onset to 7 days after onset.

Attack rate
  ?

Severity of illness
  Outside Mexico, those infected show flu symptoms although they recover.
  There seems to be some severe cases in North America.

Groups at high risk for severe illness
  Likely to be; <5, >65, pregnant woman, with chronic disease, with immunosuppression.

Swine Influenza Measures: Good Health Habits Can Help Stop Germs


Healthy habits can protect everyone from getting germs or spreading germs at home, work, or school.
 
Avoid close contact.
  Avoid close contact with people who are sick. When you are sick, keep your distance from others to protect them from getting sick too.
 
Stay home when you are sick.
  If possible, stay home from work, school, and errands when you are sick. You will help prevent others from catching your illness.
 
Cover your mouth and nose.
  Cover your mouth and nose with a tissue when coughing or sneezing. It may prevent those around you from getting sick.
 
Clean your hands.
  Washing your hands often will help protect you from germs.
 
  Avoid touching your eyes, nose or mouth.
Germs are often spread when a person touches something that is contaminated with germs and then touches his or her eyes, nose, or mouth.


Practice other good health habits.
Get plenty of sleep, be physically active, manage your stress, drink plenty of fluids, and eat nutritious food.

Stay focused on the mainstream media sources.
  Use the mainstream media as your best source of information about what has happened, and the blogs as your best warning about what might happen.

 

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