難しく考えずに、簡単にいきましょう。
(安全)衛生委員会とは?
「社内を、安全で健康的に、そして快適に働くことができるよう、Plan→Do→CheckするCommittee」
です。
毎月委員会を開催し、議事録を作成します。
議事録は社員へ開示すると共に、
5年間保存することが必要です。
難しく考えずに、簡単にいきましょう。
(安全)衛生委員会とは?
「社内を、安全で健康的に、そして快適に働くことができるよう、Plan→Do→CheckするCommittee」
です。
毎月委員会を開催し、議事録を作成します。
議事録は社員へ開示すると共に、
5年間保存することが必要です。
社員が職務時間中に怪我をした場合や病気になった場合、その多くは会社/管理職の「安全配慮義務違反」であるともいえます。
会社の安全配慮義務違反探しは、いつも問題発生後、過去にさかのぼって行われ始めます。
例) ケガ・病気の原因と仕事の関連性はないか?
例) 会社はどんな対策(安全配慮義務)をしていたか?
場合によっては行政訴訟/民事訴訟へ発展する可能性もあり、慎重な対応が必要です。
最近の労災認定訴訟から・・・、
・ 労災の請求件数ばかりか、認定件数も増加しています。
・ 特に、精神疾患(メンタルヘルス)関係で著明な増加が認められています。
・ 発症から5年後の請求に対し、時効後に労災が認定されたcaseもあります。
・ また、退職後の自殺が労災として認定されたcaseもあります。
つまり、企業は、より「求められている」ということです。
このような時代の中、企業のリスク対策としては、
1. 労働安全衛生法の遵守は、最低限のリスク管理と心得る必要があります。
2. 健康管理規定や就業規則の整備が必要です。
3. 議事録/面談記録など、全て書面に残すことも必要です。
4. 従業員(およびご家族)の満足度を向上させる努力も必要です。
特に、4については管理監督者が日々できる安全配慮です。
問題の環境・状況を放置したり、社員の不満が積み重なったりしないように配慮することも、安全配慮義務と言えます。
管理者が不満を聞き入れるだけでも、職場への不満の蓄積を低下させることがあります。
会社としてのコミットメントが有用な場合もあります。
このように考えてみると
管理職の安全配慮義務というものは、
経費や時間をかけたりと難しいものではなく、
日々の中で、
いかに部下の変化や問題点に気づいてあげられるか、
そしてその問題に対して親身に対応できるか、
ということだと気づくと思います。
一般的に、産業医の仕事の内容は、概ね下記のとおりです。
1. 毎月1回、企業を訪問します。毎月1回の作業場巡視が定められています。
2. 従業員の定期健康診断の結果等に基づき従業員の健康状況の分析をします。
3. 必要に応じて、従業員と個別に面談を行い、健康管理指導を実施します。
最近の産業医による管理指導の中心は、生活習慣病の改善指導とメンタルケアです。
4. 必要に応じて、過重労働対策面談を実施します。
時間外・休日労働時間が1ヵ月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合には、医師による面接指導を行うことが企業には義務付けられています。(注:平成20年4月以降は、50人未満の事業所にも適応されています。)
5. 必要に応じて、事業者に対して勧告、安全衛生管理者に対して指導・助言を行います。
1.健康診断、面接指導等の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等、労働者の健康管理に関すること。
2.健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
3.労働衛生教育に関すること。
5.長時間労働者に対する医師による面接指導などの実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。
産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、
事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができます。
また、産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、
作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、
直ちに、労働者の健康傷害を防止するため必要な措置を講じなければならないことになっています。
産業医の職務の内容は健康障害の予防と労働者の心身の健康保持、増進を図ることを目的とた広い範囲にわたるものです。
産業構造の変革、労働者の高齢化、IT技術の進展にともなう作業態様の変化、メンタルヘルス・過重労働問題等社会情勢の変遷に対応して業務の重点項目も変動します。
また、健康情報管理の問題や事業者の健康配慮義務は、新しい法律の施行や裁判所の判例によって対策の在り方が変わってきます。
産業医は作業現場、社会情勢、関係法規、行政制度に精通して職務の遂行にあたることは当然ですが、
産業医の能力や権限で完結できる業務と
産業保健スタッフの協力無くしては遂行出来ない業務や、
事業者の了解や協力を得なければ一歩も進まない業務があります。
上記のの業務は、産業一人に任せきらず、企業の担当者とともに、必要に応じて(健康管理やEAP等の)アウトソーシング会社も交えて「チーム」として行う必要があります。
産業医は、従業員のパフォーマンスのために働きます・・・
n 自身の体調を万全にするとともに、安全快適で働きやすい職場環境をめざします・・・
具体的には、
n ②健康増進(心と体の健康)
n ③休職・復職・配置転換時の診断と対応
①快適職場の実現
従業員が能力を発揮するためには快適な職場環境を作る必要があります。
明るさ、温度、休憩設備などの物理的な問題、業務そのものに関する問題や、上司と部下、同僚との人間関係など、産業医は様々な側面の相談を受けます。
②健康増進
心身ともに健康であることは、就業する上でもっとも基本的な前提条件となります。
産業医は健康相談、健康教育など医師としての専門性を発揮し指導や助言を行います。
③休職・復職・配置転換時の診断
ケガや心疾患、脳疾患、うつ病など様々な健康上の理由で、業務内容や就業時間に何らかの配慮が必要になることがあります。
産業医は本人の状態や希望を聞き、職場の上司、主治医などと協力して調整を行い必要であればアドバイスも行います。
産業医は、管理職のパフォーマンスのために働きます・・・
n 「部署のパフォーマンス」と「管理職自身のパフォーマンス」のために・・・
n 快適な職場作り→部署の生産性向上のために・・・
n 管理職自身の健康も大切です・・・
具体的には、
n ①安全で快適な職場作り
n ②自身の健康増進(心と体の健康)
n ③休職・復職・配置転換時の診断と対応
n ④部下のメンタルヘルスと健康管理
①安全で快適な職場作り
最近ではメンタルヘルスの観点からストレスの少ない職場作りの動きが活発になっています。
ストレス環境の改善には業務内容や業務環境の見直しや、上司や同僚とのコミュニケーションの改善といった「職場作り」が必要です。
産業医は社員との面談などを通して問題点の発見や改善提案をします。
②管理職自身の健康増進
生活習慣病は、長い年月を経て動脈硬化を進行させ、心臓発作や脳卒中などの致命的なイベントを起こす恐ろしい病気です。
しかしそれ自身は無症状であることが多く仕事が忙しいことを理由に軽視されがちです。
産業医は、健康診断結果のチェックや健康相談、正しい知識を伝えるための健康教育などによって職場の健康増進に貢献します。
③休職者と復職者への対応
管理職が最も頭を痛めるのが、休職者と復職者の対応です。
特に復職については業務内容や就業時間配置転換など、社内での継続的な支援を行うには理解とエネルギーが必要です。
しかし従業員本人と上司、経営陣など関係者の利害が一致せず、調整が難航することも少なくありません。
産業医は医学的な配慮を行うだけではなく、従業員本人とそこに関係する者、企業との現実的な妥協点を探ります。
④部下のメンタルヘルス
メンタルヘルスの問題は、職務上のミスや事故、遅刻や欠勤などの現象として現れます。
これらの初期症状にいち早く気づき、適切な対応と支援を行うことが管理職に求められています。
また、特に管理職(中間管理職)が高リスクを抱えていると自体が問題であることも多いです。
産業医による職場巡視や面談、管理職に対するメンタルヘルス講習は、早期発見と適切な対応を促す最良の方法です。
日経新聞記事より、産業医の気になるニュースです。
精神面でのストレスを理由とする過労労災が認められるケースが相次いでいる。
2007年度には、精神疾患での労災申請が脳や心臓などの身体的疾患での申請を初めて上回った。
企業の経営効率化で職場の負荷が高まったことが背景とみられるが、専門家は「精神疾患を予防する体制が整っておらず、企業の対策は後手に回っている」と指摘している。
06年11月に自殺したキヤノンの男性社員(当時37)の遺族側は、労災を沼津労働基準監督署に申請、今年6月に認定された。
男性は研究職として入社。06年9月以降、月200時間近い残業をするようになり、同年11月に自殺した。
経営者と産業医のかかわり
経営者は従業員の安全や健康について様々な義務を負っており、産業医を配置することもそのうちのひとつです。
すなわち、産業医の業務は従業員に対する単なるサービスでは無く、経営者の持つ安全配慮義務の実務を肩代わりしているともいえます。
どの企業においても事故や労働災害の発生を最小限にすることが求められています。
そのためには個々の事例に対応するだけではなく、安全面や環境面で職場全体の改善に取り組む必要があります。
産業医にはそれを実施する専門知識と行動力が求められますが、双方の時間的・物理的・金銭的諸問題により、充分な対応をできない状況があります。
しかし何か問題が発生したとき責任を負うのは経営者自身です。
従って、具体的に今の体制で、クリアできること、できないことを確認し、不足については別のもので補わなくてはならないのが現状です。
「産業医」システムで対応できることもありますし、
社外のソース(EAP等)を利用することがbetterなこともあります。
厚生労働省「労働安全衛生基本調査」によると、
産業医を選任している事業所の割合は、事業所規模別の選任状況は2005年で、
全体では75.4%となっています。
1,000人以上規模では99.8%と高いが、
50~99人規模では63.7%と低いです。
ちなみに、選任義務のない50人未満の事業所では7.9%です。
(注)ただし、ここで「選任」とは、事業所の産業医として登録した産業医の数であり、実際は名ばかりの産業医(名義貸し産業医)も含むと思われますので、実際の数値ははもっと低いと思います。
実際の産業医の職務は、
「健康診断結果に基づく事後措置、再発防止措置の指導」、
「健康相談・保健指導等の実施」
及び「健康診断の実施に関すること」など、
健康診断やそれに関連する職務など健康管理を中心として活動が行われているようです。
他方で作業環境管理などその他の業務へ産業医が関与していると答えた事業所の割合は比較的低くなっています。