産業医も気になるニュース HIV感染者1万人突破 7~9月は過去最多

 
産業医の気になるニュースです。

2008.11.19.毎日新聞によると、 

 厚生労働省のエイズ動向委員会は19日、国内のHIV(エイズウイルス)感染者が累計で1万人を超えたと発表した。

 新規感染のペースは右肩上がりに増えており、厚労省は「先進諸国が横ばいの中で日本の感染率上昇は目立っており、啓発が遅れている」と警戒を強めている。

 厚労省によると、7~9月に報告があった新規感染者は294人で、四半期ベースでは過去最多。血液製剤で感染した薬害被害者を除く感染者は累計で1万247人(男性8305人、女性1942人)に達した。

 85年の最初の感染報告から5000人突破までは17年かかったが、ここ数年でペースが急激に上がり、03年1月以降の5年9カ月で5107人の感染者が見つかった。

 感染ルートの大半は性的接触で、特に若年男性の同性間の性的接触による感染が増えている。感染者の居住地は東京が約3分の1で突出している。

 エイズを発症した患者の累計は4790人、薬害以外の死亡者累計は864人。

産業医と過労自殺、脳・心疾患の労災認定

産業医の気になるニュースです。2008年5月の発表をまとめます。

過労自殺81人(前年度比22.7%増)で過去最多、2年間で倍増。

「脳、心疾患」の認定者392人も前年度比約10%増え過去最多。

 

仕事上のストレスが原因でうつ病などの精神疾患になり2007年度に労災認定を受けた人が268人(前年度比30.7%増加)と前年に続き過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめで分かった。過労自殺(未遂を含む)も81人(前年度比22.7%増)で過去最多となり、2年間で倍増した。

 

同省によると、07年度にうつ病などの精神疾患で労災請求した人は前年度比162%増の952人、認定は同307%増の268人で、ともに4年前の2倍以上となり、過去最多だった。過労によるうつ病の労災請求件数は03年度の約2倍の952人(前年度比16.2%増)に増えた。

 

業種別では製造業(59人)がトップで、卸売・小売業(41人)や建設業(33人)、医療福祉業(26人)などが目立った。職種は▽専門・技術職75人▽生産工程・労務作業者60人▽事務職53人――。製造関連が前年度比で2倍近く増加しており、好気を反映し生産現場での過重労働の広がりがあるとみられる。

 

268人のうち自殺(未遂含む)で労災認定を受けた人は81人(未遂3人)。4022人、3021人で、働き盛りの年代が過半数を占めた。

 

過労自殺と認定された81人のうち80人は男性で、年代別では40代が22人、30代が21人、50代19人、20代15人。うつ病など精神疾患全体の認定は30代100人、20代66人、40代61人、50代31人。20、30代で6割を超え若年労働者に心の病が広がる状況を示した。

 

同省は今回、精神疾患で労災認定された人の時間外労働時間を初めて調査。81人のうち、1カ月の平均は100時間以上120時間未満が20人、80100時間が11人などだったが、40時間未満も12人おり、労働時間が比較的短くても過労自殺の危険があることが裏付けられた。

 

 

脳出血や心筋梗塞(こうそく)などを発症した「脳、心疾患」の認定者392人(うち死亡142人)も前年度比約10%増え過去最多。請求件数は931人で前年度比0.7%減少した。残業時間は月80~100時間未満が135人、100~120時間未満が91人。160時間以上も35人に上った。

 

派遣労働者の労災が3年で9倍!

産業医の気になるニュースです。  821230分配信 毎日新聞

 

 07年に労災で被災した派遣労働者(休業4日以上の死傷者数)は5885人(うち死者36人)に上り、製造業への派遣が解禁された04年に比べ約9倍に増加したことが20日、厚生労働省のまとめで分かった。

 

 厚労省が派遣労働者の労災件数を集計し明らかにしたのは初めて。日雇い派遣などの派遣労働者が十分な安全教育を受けないまま危険な業務に従事させられていることを裏付け、労働者派遣法改正の議論にも影響を与えそうだ。

 まとめによると、被災者数は04年の667人から年々増加。労働者全体の被災者数は04年が13万2248人、07年も13万1478人で派遣労働だけ被災者が急増している。派遣労働者数は04年の227万人から07年には321万人に増えたが、労災件数の伸びはそれを大きく上回っている。

 業種別では、製造業が2703人で最多。運輸交通316人商業308人貨物取り扱い127人--と続く。特に日雇い派遣が多いとされる貨物取り扱いや運輸交通での増加が目立つ。

 年代別では、30代が29%、20代が26・9%で、20~30代で過半数を占める。経験の少ない若年者が被災する例が多いとみられる。

 死亡労災では、「粉砕機の運転を停止せずに清掃して巻き込まれた」(食品製造)、「ドリルで穴あけ作業中につなぎが巻き込まれた」(機械機具製造)など安全教育の不十分さが原因とみられるケースがあった。

 派遣法を巡っては、秋の通常国会へ向けて厚労省が改正案の検討を進めている。日雇い派遣は原則禁止の方向だが、経営側からは「ニーズがあり一律禁止はなじまない」との意見が出され、禁止を求める労働側と対立している。

 派遣労働者が加入する労働組合「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長は「日雇い派遣など派遣先が雇用に責任を持たない登録型派遣では、安全教育がどうしてもおろそかになる。組合には労災隠しの相談も数多く、この数字さえ氷山の一角と見ている。きちんとした法的規制が必要だ」と指摘している。

 

 

 

管理人産業医の感想

 

 管理人産業医は、(外資系)派遣会社での嘱託産業医もやっています。

  それを含めての感想です。

 

 企業の常勤社員に比べ、派遣社員は産業医的にも恵まれていないと感じることがあります。

 

 派遣社員はその派遣元の企業の管轄ですので、健診や産業医面談も派遣元がになうことになっています。

 

 つまり、派遣先企業は、その派遣社員の面倒をそこまでみる義務はありません

 

 結果、産業医との面談も、派遣社員には受けさせていない企業もあります。

 

 派遣社員が派遣元で、産業医面談等を希望する場合、結局、派遣先での勤務後になってしまいます。

 

 しかし、その時間(夜)では、派遣元企業もすでにclosedだったたり、その時間にあわせて勤務してくれる産業医が少ないのが現状です。

 

 

 

ストレス過労、深刻に 労災申請、身体要因上回る

日経新聞記事より、産業医の気になるニュースです。

ストレス過労、深刻に 労災申請、身体要因上回る

 精神面でのストレスを理由とする過労労災が認められるケースが相次いでいる。

 2007年度には、精神疾患での労災申請が脳や心臓などの身体的疾患での申請を初めて上回った。

 企業の経営効率化で職場の負荷が高まったことが背景とみられるが、専門家は「精神疾患を予防する体制が整っておらず、企業の対策は後手に回っている」と指摘している。

 06年11月に自殺したキヤノンの男性社員(当時37)の遺族側は、労災を沼津労働基準監督署に申請、今年6月に認定された。
 男性は研究職として入社。06年9月以降、月200時間近い残業をするようになり、同年11月に自殺した。

従業員の定期健診受診率は9割以上が常識です!

産業医の気になるニュース

 

平成19年度働きざかり世代の生活習慣実態調査」について 報道発表資料平成20年6月16日福祉保健局

 

l         従業員の定期健康診断の受診率は、大規模事業所は95.0%、中規模事業所は95.4%、小規模事業所は77.0%である。

 

l         定期健康診断の結果を「受け取ったのみ」の者は75.8%、「医師、保健師、看護師等から説明を受けた」者は20.5%である。

 

l         「朝食を食べない」者は24.5%である。

 

l         1週間に1回以上運動している」者は30%、「運動していないが、今後は始めたいと思っている」者が27.4%である。

 

l         メタボリックシンドロームの意味を「知っている」者は59.1%である。定義を正しく理解していた者は25.9%である。

成人男性1/3が肥満で、40-74歳だと半分はメタボ予備軍です!

産業医の気になるニュース

報道発表資料平成20年6月30日福祉保健局 「平成18年東京都民の健康・栄養状況」について

 

 

成人男性は肥満傾向で、40歳から74歳までの半数以上がメタボリックシンドロームが強く疑われる者又は予備群であり、また、全国と比べ遅い時間に夕食を食べる者の割合が多いなどの実態が明らかになりました。

 

l         成人男性の33.7%、女性の17.8%が肥満です。平成17年の男性29.3%、女性15.1%と比較し、増加傾向です。

 

l         40歳から74歳までの男性の53.3%が、メタボリックシンドロームが強く疑われる者又は予備群です。

 

l         成人男性の29.9%、女性の17.4%が夕食時間を午後9時以降に開始しています。全国と比較し、食事時間が遅い傾向です。

 

l         野菜類の平均摂取量は316.8グラムで、平成17年の303.7グラムと比較し、摂取量が増えたものの、目標量の「350グラム以上」に比べて不足しています。中でも、20歳代女性は247.7グラムと少ない傾向でした。

 

l         運動を実行していて、十分習慣化している人は、男性が22.6%、女性が17.4%です。