産業医からみた大腸がん検診
「大腸がん検診」は、便潜血反応です。
便についている血液を調べる検査です。たいてい2回します。
進行した大腸癌があっても7割程度しか陽性とならない(ひっかからない)ところが短所ですが、簡便にできる検査ですね。
1回でも血が付いていれば、密検査の大腸内視鏡検査を勧められます。大腸内視鏡検査については、こちらのブログを参照して下さい。
産業医からみた胃がん検診
「胃がん検診」(60.1%)は、バリウム検査が一般的。
バリウム飲んで、台が倒れたり、体をグルグルまわしたりして、レントゲン写真を撮る検査です。
昔からある、一番“検診”のイメージの強い検査ですね。
内視鏡検査(胃カメラ)の普及や経鼻内視鏡の出現により、胃のバリウム検査はその意義が問われている(?)と感じます。
正直、検査の精度(正確さ)は・・・です。
ちなみに、産業医.com管理人は、医師でバリウムを飲んでいる人を知りません。
その他、ペプシノゲン検査(採血した血の中のものを調べるだけ)などもあります。
いずれも、ひっかかったら胃内視鏡検査へとなりますが、最近は、はじめから胃カメラを選択できる検診コースが増えている印象です。そのときは、内視鏡検査(胃カメラ)を選びましょう!
産業医からみた子宮がん検診
「子宮がん検診」(57.4%)はいわゆる女性のためのがん検診でもっとも一般的なものです。
女性器入口付近を綿棒のようなもので擦り、それを顕微鏡で調べます。
引っかかれば、婦人科受診となります。
他に、HPV(ヒトパピローマウイルス)を調べることもあります。
ヒトパピローマウイルスは子宮頚癌のリスク因子であり、ヒトパピローマウイルスがいる人のほうが、子宮頚癌になる確率が高いことが認められています。
もし、ヒトパピローマウイルスが陽性(いる)場合、そのウイルスを退治する治療があり、
そうすることにより子宮頚癌は予防することができます。
このヒトパピローマウイルスの退治治療の費用は現時点では保険では認められておらず、自由診療(ようするに自費=高い)です。
しかしながら、癌を予防することができると実証されているこの検査と治療は女性にはお勧めだと思います。
産業医からみた乳がん検診
「乳がん検診」(55.3%)は、触診だけでなくマンモグラフィーが一般的(?)。
いわゆる女性のためのがん検診で2番目に一般的なものです。
触診とは、実際に医師が乳房や腋窩(わきの下)を診察して、何かしこりがないか調べるものです。
実際に「何か」が見つかることもありますが、その精度は施行する医師の技量だけでなく、受ける患者さんの体型等も含めて個人差があります。
また、「触診」という行為自体に抵抗がある女性も多く、近年はマンモグラフィーが増えつつあります。
特に、公的ながん検診でなく、人間ドックなどの施設では、患者さんのニーズは大切ですので、マンモグラフィーを導入しているところがほとんどだと思います。
実際のマンモグラフィーは、「おっぱいのレントゲン写真を撮る」検査です。
最近はレントゲン写真もコンピューター処理が進み、精度がかなりいいとのことです。
これでひっかかると、精査にまわります。触診のほか、超音波検査、そして「何か」あるようであれば、組織診・細胞診(針をさして細胞を調べる検査)となります。
乳がんは女性の5人に1人が一緒のうちに一度かかるともいわれています。女性にはお勧めの検査です。