産業医から小規模企業へ⑭-2 産業医の活動に対する配慮事項

具体的な産業医の活動に対する配慮事項について

 

① 産業医の職務内容は、

   健康診断及び面接指導等、

   作業環境管理、

   作業管理、

   健康教育・健康相談、

   衛生教育、

   労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置

  などがあります。

 

 具体的な内容については、選任した産業医とよく相談して決めてください。

 

② 産業医は、定期に職場を巡視し、従業員の健康を保持するために必要な措置を勧告や助言・指導する必要がありますので、産業医が職場を巡視できるようにしてください

産業医から小規模企業へ⑱-1 衛生委員会の設置の必要性

産業医からの質問:

 

 あなたの会社は、従業員の健康障害防止対策などについて、従業員が意見を述べるための「衛生委員会」を設けていますか?

 

 

労働安全衛生法は、従業員数50 人以上の規模の会社の経営者に対して、労使と産業医が参加する衛生委員会を設置することを義務づけています(労働安全衛生法18条)。

 

50人未満の会社でもできれば設置することが望ましいでしょう。

 

従業員の健康の保持増進のための措置が効果的に行われるためには、活動の進め方に従業員が参加し、その意見が反映される必要があります。

 

さらに、衛生推進者、産業医、従業員などの関係者による継続的な取組も重要です。

産業医から小規模企業へ⑱-2 衛生委員会の構成と委員指名の方法

具体的な衛生委員会の構成などについて

 

①衛生委員会は、会社の役員クラスの役職員、衛生推進者、産業医、労働衛生に関して経験のある従業員の各委員で構成されます。

 

②事業者が従業員の委員を指名する場合は、労働組合または従業員の過半数を代表する者の推薦に基づいて指名しなければなりません。

 

 

小規模企業にとってのベストな方法は、

 

近くの地域センターまたは推進センターを活用する!

 

がキーワードです。

 

マンパワーが限られている中、現在の従業員に、新たな分野の新たな仕事を、任せる前に、まず一度、専門家にご相談下さい。

産業医から小規模企業へ⑲-1 衛生委員会での審議・活動の必要性

産業医からの質問:

 

 あなたの会社は、定期的に衛生委員会を開催し、従業員の健康障害防止のための基本対策などの事項を審議していますか?

 

 

労働安全衛生法は、経営者に対して、健康障害防止の基本対策や健康の保持増進のための基本対策などについて衛生委員会で審議させることを義務づけています(労働安全衛生法18条)。

産業医から小規模企業へ⑲-2 衛生委員会の運営方法

具体的な衛生委員会の運営方法などについて

小規模企業にとってのベストな方法は、

近くの地域センターまたは推進センターを活用する!

がキーワードです。

マンパワーが限られている中、現在の従業員に、新たな分野の新たな仕事を、任せる前に、まず一度、専門家にご相談下さい。

 

① 衛生委員会で審議しなければならない事項は、

 Ⅰ. 健康障害防止のための基本対策、

 Ⅱ. 健康の保持増進のための基本対策、

 Ⅲ. 労働災害(職業病の発生)の原因調査と再発防止策、

 Ⅳ. 規程の作成、教育計画

 

 などに加え、

 

 危険性・有害性等の調査と事後措置、

 安全衛生に関する計画の作成・実施・評価・改善、

 長時間労働による労働者の健康障害防止対策、

 労働者の精神的健康の保持増進対策などがあります。

 

 

50人以上の規模の会社では、月1 回開催することが義務づけられていますが

 

50人未満の会社では、産業医と相談し、少なくとも半年に1回は開催するようにしましょう

 

 

③衛生委員会は、できるだけ産業医が会社を訪問しているときに実施し、産業医からの説明や意見を聴く機会を設けましょう。

 

 

委員会の開催ごとに、議事の概要を従業員に周知しましょう

実際の産業医の職務

 

一般的に、産業医の仕事の内容は、概ね下記のとおりです。

 

 

1.         毎月1回、企業を訪問します。毎月1回の作業場巡視が定められています。

 

2.         従業員の定期健康診断の結果等に基づき従業員の健康状況の分析をします。

 

3.         必要に応じて、従業員と個別に面談を行い、健康管理指導を実施します。

 

最近の産業医による管理指導の中心は、生活習慣病の改善指導とメンタルケアです。

 

4.         必要に応じて、過重労働対策面談を実施します。

 

時間外・休日労働時間が1ヵ月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる労働者が申し出た場合には、医師による面接指導を行うことが企業には義務付けられています。(注:平成204月以降は、50人未満の事業所にも適応されています。)

 

5.         必要に応じて、事業者に対して勧告、安全衛生管理者に対して指導・助言を行います。

 

 

産業医の職務の詳細

 

実際の産業医の職務内容は以下に関することなどがあります・・・

 

 1.健康診断、面接指導等の実施およびその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等、労働者の健康管理に関すること。

 

 2.健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

 

 3.労働衛生教育に関すること。

 

 4.労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

 

 5.長時間労働者に対する医師による面接指導などの実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること。

 

 

 

 

産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、

 

事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができます。

 

 

 

また、産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、

 

作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、

 

直ちに、労働者の健康傷害を防止するため必要な措置を講じなければならないことになっています。

 

 

 

産業医の職務の内容は健康障害の予防と労働者の心身の健康保持、増進を図ることを目的とた広い範囲にわたるものです。

 

産業構造の変革労働者の高齢化IT技術の進展にともなう作業態様の変化、メンタルヘルス過重労働問題等社会情勢の変遷に対応して業務の重点項目も変動します。

 

また、健康情報管理の問題や事業者の健康配慮義務は、新しい法律の施行や裁判所の判例によって対策の在り方が変わってきます。

 

産業医は作業現場、社会情勢、関係法規、行政制度に精通して職務の遂行にあたることは当然ですが、

産業医の能力や権限で完結できる業務

産業保健スタッフの協力無くしては遂行出来ない業務や、

事業者の了解や協力を得なければ一歩も進まない業務があります。

 

上記のの業務は、産業一人に任せきらず、企業の担当者とともに、必要に応じて(健康管理やEAP等の)アウトソーシング会社も交えて「チーム」として行う必要があります

産業医と従業員・管理職・経営者との関わり① 従業員のパフォーマンスのために

 

産業医は、従業員のパフォーマンスのために働きます・・・

 

n       自身の体調を万全にするとともに、安全快適で働きやすい職場環境をめざします・・・

 

 

具体的には、 

  n       ①安全で快適な職場作り

 

  n       ②健康増進(心と体の健康)

 

  n       ③休職・復職・配置転換時の診断と対応

 

  

①快適職場の実現

 

従業員が能力を発揮するためには快適な職場環境を作る必要があります。

 

明るさ、温度、休憩設備などの物理的な問題、業務そのものに関する問題や、上司と部下、同僚との人間関係など、産業医は様々な側面の相談を受けます。

 

 

②健康増進

 

心身ともに健康であることは、就業する上でもっとも基本的な前提条件となります。

 

産業医は健康相談、健康教育など医師としての専門性を発揮し指導や助言を行います。

 

③休職・復職・配置転換時の診断

 

ケガや心疾患、脳疾患、うつ病など様々な健康上の理由で、業務内容や就業時間に何らかの配慮が必要になることがあります。 

 

産業医は本人の状態や希望を聞き、職場の上司、主治医などと協力して調整を行い必要であればアドバイスも行います。

産業医と従業員・管理職・経営者との関わり② 管理職のパフォーマンスのために

 

産業医は、管理職のパフォーマンスのために働きます・・・

 

n       「部署のパフォーマンス」と「管理職自身のパフォーマンス」のために・・・

 

n       快適な職場作り→部署の生産性向上のために・・・

 

n       管理職自身の健康も大切です・・・

 

 

具体的には、

 n       ①安全で快適な職場作り

 

 n   ②自身の健康増進(心と体の健康)

 

 n       ③休職・復職・配置転換時の診断と対応

 

 n       ④部下のメンタルヘルスと健康管理

 

 

①安全で快適な職場作り

 

 最近ではメンタルヘルスの観点からストレスの少ない職場作りの動きが活発になっています。

 

 ストレス環境の改善には業務内容や業務環境の見直しや、上司や同僚とのコミュニケーションの改善といった「職場作り」が必要です。

 

 産業医は社員との面談などを通して問題点の発見や改善提案をします。

 

 

②管理職自身の健康増進

 

生活習慣病は、長い年月を経て動脈硬化を進行させ、心臓発作や脳卒中などの致命的なイベントを起こす恐ろしい病気です。

 

しかしそれ自身は無症状であることが多く仕事が忙しいことを理由に軽視されがちです。

 

産業医は、健康診断結果のチェックや健康相談、正しい知識を伝えるための健康教育などによって職場の健康増進に貢献します。

 

 

③休職者と復職者への対応

 

管理職が最も頭を痛めるのが、休職者と復職者の対応です。

 

特に復職については業務内容や就業時間配置転換など、社内での継続的な支援を行うには理解とエネルギーが必要です。

 

しかし従業員本人と上司、経営陣など関係者の利害が一致せず、調整が難航することも少なくありません。

 

産業医は医学的な配慮を行うだけではなく、従業員本人とそこに関係する者、企業との現実的な妥協点を探ります。

 

 

④部下のメンタルヘルス

 

メンタルヘルスの問題は、職務上のミスや事故、遅刻や欠勤などの現象として現れます。

 

これらの初期症状にいち早く気づき、適切な対応と支援を行うことが管理職に求められています。

 

また、特に管理職(中間管理職)が高リスクを抱えていると自体が問題であることも多いです。

 

産業医による職場巡視や面談、管理職に対するメンタルヘルス講習は、早期発見と適切な対応を促す最良の方法です。

産業医と従業員・管理職・経営者との関わり③ 経営者のパフォーマンスのために

 

経営者と産業医のかかわり

 経営者は従業員の安全や健康について様々な義務を負っており、産業医を配置することもそのうちのひとつです。

 すなわち、産業医の業務は従業員に対する単なるサービスでは無く、経営者の持つ安全配慮義務の実務を肩代わりしているともいえます。

 

 どの企業においても事故や労働災害の発生を最小限にすることが求められています。

そのためには個々の事例に対応するだけではなく、安全面や環境面で職場全体の改善に取り組む必要があります。

 

産業医にはそれを実施する専門知識と行動力が求められますが、双方の時間的・物理的・金銭的諸問題により、充分な対応をできない状況があります。

 

しかし何か問題が発生したとき責任を負うのは経営者自身です。

 

 

従って、具体的に今の体制で、クリアできること、できないことを確認し、不足については別のもので補わなくてはならないのが現状です。

 

「産業医」システムで対応できることもありますし、

 

社外のソース(EAP等)を利用することがbetterなこともあります。